その前に、なぜまとめようかと思ったかというと、今までぼくは何十回もデザインの賞に応募しているにも関わらず、全く賞というものを頂いたことがありません。
賞とは一体なんなのでしょうか。ぼくは“箔を付ける”ことだと思います。では“箔を付ける”とは何なのかと辞書で調べてみると“重みを加える。貫禄をつける。”とあります。つまり他人から見て「なんか分からないけどスゴそう!誰か評価しているんだからきっといいものなんじゃない?」と思って頂けるようにするイメージ戦略だと思います。
ただ賞を取ったからといって売上げが上がるかというと難しいかもしれませんが、「この会社、入口にやたら賞状やトロフィーがあってなんかすごそうだなあ。」と思って頂くなど、二次的な効果はあると思います。
でもぼくは何度応募してもあらゆる賞を頂くことができません。つい先日も一つ落選しました。落選するのは実力がないから、と考えるのは簡単ですが。
ぼくの好きなデザイナーの一人の佐藤オオキさんは著作の中で、「賞が取れなくても全然気にしなくてよいです。審査員が「オレこの作品を選んだらかっこいいじゃん。」的な理由で受賞作品を決めることが多いと言ってました。
あともう一人ぼくの好きなデザイナーの佐野研二郎さんも「若い頃、何度もデザインの賞に応募したが、通ったためしがなかった」と言ってました。今では大変活躍している方も、賞が全然取れなかったという話を聞いてホッとしました、笑。
でもいずれは何でもいいから賞を欲しいと思っています。そして事務所を構えることができた暁には、入口に賞状なりトロフィーなり飾りたいと思っています。でもたぶん賞は頂けないので、自分で作って飾りたいと思います。
長い前置きはこれくらいにして、デザインの賞には、応募するだけでお金を取る有料のものと無料のものがあります。ちなみにぼくは無料のものしか応募したことはありません。
■応募にお金がかかるもの
グッドデザイン賞:一次審査料 10,800円+二次審査料 59,400円+発表会出展料 124,200円+年鑑掲載料 32,400円 = 合計 226,800円(必須)
受賞するまでに約23万もかかるんですかっ?!とめまいがしてきます。今までグッドデザイン賞はいいデザインなら自動的にもらえるものと思っていましたが、自分で大金を払って応募しないと絶対もらえない賞なのですね…。
iFデザイン賞:登録費用:€350(約5万円)、アワード受賞者の費用:€2,700(約38万円)こちらは受賞するまでに約43万ですかっ?!気絶しそうです。
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レッド・ドット・デザイン賞:登録費用レギュラー:€310(約4万)、€3315(約47万)から
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レッド・ドット・デザイン賞:登録費用レギュラー:€310(約4万)、€3315(約47万)から
こちらは受賞するまでに約51万…。もう何も言葉が出ません…。
日本パッケージデザイン大賞:エントリー料3,000円、出品料1応募作品あたり1,000円
これはかなり良心的な気もしてきました。
そのほかにも登竜門というサイトで色々な賞を紹介しています。
ちなみに弊社にも少なからず色々な方々からデザインの企画のご提案を頂ことがありますが、コンペに応募してそれを誰かに商品化してもらおうとは思わず、自分で作って自分で売ってみるのも手だと思います。ほとんどのコンペは、デザインの全ての権利が主催者側に渡るものも少なくはありません。コンペによっては応募規約に誠意のないものもあります。
そもそもなぜ製品を世に送り出したいかというと、自分で考え、手塩にかけ生み出したものをより多くの方に使って頂き喜んでもらいたい、という思いがあるからだと思います。その思いを忘れて、ただ賞を取りたい!こうしたら賞取れそうじゃん、ちやほやされそうじゃんという思いで、ものづくりをしたのでは本末転倒ですよね。
なにか受賞できるまでは自分で作った賞状なりトロフィーなりで楽しんでいようと思います…。
なにか受賞できるまでは自分で作った賞状なりトロフィーなりで楽しんでいようと思います…。