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6.01.2017

皆さんは、ゴミが落ちていたらどうしますか?

皆さんは、自分が住んでいるアパートやマンションの共有部にゴミが落ちていたらどうしますか?

・ゴミを捨てる人
・ゴミを無視する人
・ゴミを拾う人
・ゴミをなくそうと仕組みを作ろうとする人

皆さんはどれに当てはまりますでしょうか。

東京は、ゴミやタバコの吸殻を道ばたに平気で捨てる人がほんとに多いです。
東京は住んでいる人が多い分、ゴミやタバコの吸殻を道ばたに捨てる人も多いんだと思いますが。

婦人服のブランド「アースミュージック&エコロジー」で有名な株式会社ストライプインターナショナルの社長の石川さんは、創業当時、お客様が来なくて困った時に松下電器(現:パナソニック)社長の松下さんの本を読んで、「まずは掃除」と書いてあったので、その通りに掃除をしてみたそうです。するとお客様が徐々に増え、売上げも次第に増えたそうです。それ以来、掃除をすることをとても大切にしているそうです。

禅の教えに「一掃除、二信心(いちそうじ、にしんじん)」という教えがあるそうです。
「教えを信仰する前に、まず掃除。」ということだそうです。とても面白い教えですし、本当にその通りだと思いました。目の前がごちゃごちゃしていて汚れていたら、何かを始めるのも大変ですし、効率も悪いです。

会社員時代「人の頭の中と、その人の机の上の状態は、とてもよく似てるなあ。」と思っていました。机の上がごちゃごちゃしている人は、考えもごちゃごちゃしてるし、机の上が整理されている人は、それだけ仕事や考えも整理されてました。

自動車を作っているトヨタも、とにかく掃除、整理整頓の徹底はすごいものがあります。
(参考:壮絶!トヨタの「片づけ」はここまでやる(東洋経済web)

大学で教わったドイツ人の先生も「まず掃除から」でした。教室が少しでも乱れていれば、その授業の一コマは、掃除で終わりでした。

最近気になったのですが、弊社が事務所としてお借りしているマンションにゴミが落ちていてもだれも拾わないようです。はじめは「みんな見えてないのかなあ。」と思っていましたが、どうやら見えているようです。無関心だったり、「どうせ掃除の人が拾ってくれるだろう。」と思っているのかもしれません。

でも、会社を経営している人やデザイナーには、ゴミが落ちていたら、拾ったり、現状を改善しようとしてほしいと思います。その気持ちがなければ、経営者やデザイナーには間違いなく向いていないと思います。

経営者の仕事は、社会の現状に満足せず、社会をよりよくすることだと思います。
デザイナーの仕事も一緒だと思います。

事務所の最寄り駅前がゴミの散乱で本当にヒドいので、行政に相談をしてみました。相談にのってくれた人は「あそこは、まだマシな方ですよ。ちなみに企業の方が、社会貢献という名目でゴミ拾いを行っている場合もあります。」と、まるで企業はゴミ拾いで点数稼ぎをしている、みたいな物言いでしたが、そうでもないと思います。企業は、社会をよりよくする使命がある、それに尽きると思います。

皆さんは、ゴミが落ちていたらどうしますか?

4.28.2016

どうやってデザインを決めるのか、どうやってデザインの質を上げるのか

「どうやってデザインを決めているんですか?」「どうやってデザインの質を上げているのですか?」と質問を頂きました。
デザインには正解がないので、どこまで突き詰めるか、難しい問題だと思います。

デザインとは機能だと考えています。誰のためのデザインなのか、その人のためにならなければ、全く役に立たないものになってしまいます。その上で気を付けていることがあります。

人の意見を聞く
デザイナーが作ったものは、往々にして独りよがりです。それは、デザイナーの多くが、デザインを自己表現の手段にしているからです。しかし、そもそもデザインとは、自己表現の手段ではなく、社会や組織の活動の文脈から必要になってくるものだと考えています。
“社会や組織の活動”と“デザイナーの表現”の相性がよければうまくいきますが、そのことを分かっていない社会や組織の幹部とデザイナーが出会ってしまうとかなり悲惨なことになってしまいます。経営とデザインは表裏一体です。
しかし現状は、自己表現したい人がデザイナーになっていることがほとんどなので、その勘違いを穴埋めするためにも、デザイナーは、経営についてよく学び、経営者や営業マンの話をよく聞き、それをデザインに反映させ、経営者や営業マンは逆にデザインについてよく学ぶ必要があると思います。

試作を繰り返す
製品を完成させるまでにどれだけ手書きし、考えたでしょうか。どれだけ実際に試作してみたでしょうか。完成度はその量と関係していると思います。
ちょっとでもラフを書いたら、即座にパソコンの作業に入ってしまう人がいます。でも、「手書きでのアイデアの量」と、「完成品の質」には密接な関係があると思っています。完成度を上げるには、パソコン作業に入る前の「手書きでのアイデア」の量を増やす必要があると思います。
パソコン作業に入っても、そこからの「試作の量」もまた、「完成品の質」と密接な関係があります。

世界の優れたデザインから学ぶ
会社内でデザイナーをしていると日々の業務に追われ、なかなか展示会に足を運びづらいかと思います。しかも、展示会に行くと言って外出することもなかなか難しいのではないでしょうか。しかし、デザイナーにとって国内に限らず、海外の展示会を見たり、活躍するメーカーの製品やデザイン書籍から学ぶことはとても大切だと思います。
デザイナーに対してデザインの質を上げてほしいと願うのならば、デザイナーに色々な展示会に足を運んでもらったり、質の高い製品やデザイン書籍を提供したりすることは大切だと思います。

常に改善する
スガイワールドの商品は、人には分からない程度の些細な改善を常に行っています。プロダクトデザインの改訂は、型を変えたり、デザインを変えたりと、お金も時間もかかりとても大変なことなので、そのようなことを行っている零細企業は、あまりなさそうです。しかし弊社では、お客様に対して常に最善の製品を提供したいので、お金がかかってもそのようなことを行っています。

4.10.2016

明るさと色彩計画について

ロゴマークは何色にしたらよいか、
ブースの色は何色にしたらよいか、
カタログの色は何色にしたらよいか、
感覚的に色を決めている人もいるかと思います。

買いたがる脳(デイビッド・ルイス著)」という本のp158に下記のようなことが書かれていました。

・青や緑のような寒色は気分をリラックスさせ、オレンジや赤などの色は興奮させる
・小売店の内装は、暖色系より寒色系の方が買い物客の評価は高い

これはなぜなのか、自分なりに考えてみました。
明るい寒色系は、日中の空の色です。それに対して明るい暖色系は、火や火事、山火事などを喚起させるのではないでしょうか。

また、P160には「赤を劇場のロビーに使えば、暖かく華やいだ雰囲気を演出するが、空港の出発ラウンジに使うと、臆病な乗客の不安をあおる危険がある。空港の出発ラウンジにふさわしいのは、自然な色合いのダークブルー、グリーン、ブラウンなどである」とありました。

JALの鶴のマークは赤ですが、これは、燃えた炎のように見え、安心を求める乗客には逆効果なようです。

燃えるような情熱をロゴマークで表したければ、赤やオレンジ。
展示会のブースを明るく活発に見せたい場合は、水色などの寒色系。
照明を落とし、落ち着いた雰囲気を作りたいときは、木の色や緑色などの天然の色を使い、リラックスできるブースに。
落ち着いた安らぎを感じさせたいカタログの場合は、寒色を取り入れ、注目させたい箇所には暖色系を取り入れたり。


自然界の色や明るさを参考にし、それを照明や色彩計画に取り入れてみてはいかがでしょうか。

3.08.2016

深澤直人ワークショップ「without thought」

皆さんは、プロダクトデザイナーの深澤直人さんが行っている「without thought」というワークショップをご存知でしょうか。ぼくは、本屋さんでそのワークショップをまとめた本をたまたま読んだことがありました。そのときから何か気になっていたので、改めて見てみました。

without thoughtとは、「考えなしに」という意味だそうです。デザイン業界では、アフAffordance(アフォーダンス)という言葉が一時期流行りました。アフォーダンスとは、モノが人に働きかけることだそうです。例えば、自転車のかごは、ゴミ箱に似ているので、ゴミを入れたくなる。低い机は腰掛けたくなるという具合です。
このAffordance(アフォーダンス)と考え方が似ているのかなあと思いました。

そういえば、深澤直人さんがデザインした椅子は、人が思わず背もたれに上着をかけてしまうということを意識して、この椅子の背もたれをデザインしたそうです。
▶ラウンジチェア

ワークショップの第7回目の朝食の回では、漆塗りのお椀のようなマグカップがありました。OLさんが、インスタントみそ汁をこれに入れて楽しむ絵が浮かびます。第11回目の容器の回で、輪ゴムの箱を開けると的当てゲームになる、というものもありました。世の中にすでに存在しているもので思わずやってしまっていることを分解、再構築し、思わずそうしてしまいそうになることをより促す、ということにうまく落とし込んでいると思いました。

第1回 考えない
第2回 つり革
第3回 e-fashion-
第4回 MUJI
第5回 ゴミ箱
第6回 コイン
第7回 朝食
第8回 拭く
第9回 花器
第10回 BOX
第11回 容器
第12回 手を洗う
第13回 フード
第14回 スマホ

11.04.2015

デザインとは知らない人の手に渡るまでの筋道を立て、ゴールまでを手助けすること

デザインは意匠や機能と言われていますが、ぼくは、デザインとは“知らない人の手に渡るまでの筋道を立て、ゴールまでを手助けすること”だと思います。

デザインとは“ほぼ何もないところ”から“知らない人の手に渡るまで”の筋道を一本通すこと。
デザイナーとは“ゴールまで手助けする人”だと考えています。

高知に、ぼくが日本一のデザイナーの1人だと思っている梅原さんという方がいらっしゃいます。
梅原さんが友人に頼まれて作った“栗”一つからスタートする事業計画書があります。
しまんと新一次産業の取組」のリンク
“栗”一つからここまで構想が描けるとは本当に感動です。
この事業計画書の作成からはじまり、高知の地場産の商品のパッケージデザインをしています。
梅原真さんのデザイン商品」のリンク
中身の魅力をふつふつとわき上がらせる本当に素晴らしいデザインです。

ぼくは、グラフィックデザインが本当に苦手です。そう言うと、「美大卒なのに?」「もうやってるじゃん」「うそー?!」と言われますが本当です。確かに美大には行きましたが、グラフィックデザインを習ったことは一度もないような気がします。大学では、音と視覚的表現を結びつけたり、デジタル技術とアートの組み合わせを考えたりとなかなか難解な授業が多かったです。

そんなグラフィックデザインを何も知らないぼくが、モノをデザインする上で気を付けていることがあります。

1)目的に対して機能すること
2)誰のためかはっきりさせること
3)情報の配置に疎密があること
4)情報が少なすぎず多すぎないこと
5)細部まで心遣いが行き届いていること
6)品があり、すっきりしていること
7)思いやりがあること、分かりやすいこと
8)広く受け入れられる偏りのない表現であること
です。

手順を整理すると、
①目的を決める(誰のために、何のために、どこで、どのように使われるかなど)
②必要な情報や要素を書き出す
③情報や要素を分類分けし整理する
④情報や要素に優先順位を付ける
⑤情報や要素に強弱を付ける
⑥情報や要素を削ぎ落す という具合です。

商品で言いたいことはたくさんあるので、気を付けないとすぐにぐちゃぐちゃごちゃごちゃのデザインになります。点や曲線一つにおいても表現が研ぎすまされていないと、完成度の低い偏った表現になってしまいます。上に書いた点に注意しながらデザインしていけば、ある程度は整理されたものが出来上がると思います。

商品のデザインは、その人の価値観をどうしても反映してしまいます。
ぼくは、商品のデザインを見れば、何歳くらいの人が作っているかだいたい分かる気がします。
今の車のデザインの可否を出しているのは50〜60歳だと思いますし、一般に流通している商品のデザインの可否を出しているのは45〜55歳くらいだと思います。
今の車のデザインは昔夢見た未来の形を作っているように見えますし、商品パッケージはバブル期の売上げ至上主義で計算高いイヤラしさから抜け出せていないように見えます。

10代から20代の人が作っているものも見ると分かります。表現の幅が狭いように感じたり、完成度に対して甘さを感じるときがあります。しかし驚くほど純粋無垢でけがれていない強さを感じるときがあります。

デザインは表現なので、その人の価値観やその人の生き様、その人が生きている世界や時代の価値観を強く反映します。デザインを決める人の価値観が時代遅れだったり、偏った価値観だと多くの人から共感してもらうのは難しいと思います。

独りよがりのデザインから抜け出すには、とにかくたくさん作ってみて多くの人の意見を素直に聞いてみたり、よいものをたくさん見て素養を身につけ、自分の表現を客観的に捉えることができる能力を身につけるしかないと思っています。

これからの時代、デザインがよくなければ、絶対に生き残ることはできないと思っています。

6.08.2015

企画やデザインの提案について

時々、企画やデザインの相談をしたいという相談を頂きます。相談頂くのは大いに結構なのですが、中には企画やデザインは採用しなければ、費用がかからないと考えている方もいらっしゃるようです。

お恥ずかしい話、以前、クライアントにさんざん企画とデザインを提供したあげく逃げられたことがありました。ネットなどで調べてみると結構な割合でそのような苦い経験している方がいらっしゃるようです。

ずるい人は、デザイナーをその気にさせて企画デザインの提案をさせます。それで上層部の許可が下りなかったり、その予算が準備できないと逃げてしまうのです。
このようなことは絶対にあってはいけません。

通常は
→相談 →お見積り →発注 →企画デザイン →納品 →請求
という流れになります。

発注が無い限り、手を動かさないことが懸命です。
企画デザインをさせて、何ヶ月も返事を待たせるクライアントもいます。
※3ヶ月以上回答がない場合は、企画デザイン料をご請求申し受けます。
と見積りに明記することをオススメします。

皆さんも悔しい思いをしないように、クライアントから相談を受けたら必ず、見積りを提出し、発注をもらってから、実際の業務に取りかかることをオススメします。

12.18.2014

デザインギフトメーカーリスト

世界にはどんなデザインギフトメーカーがあるのでしょうか。彼らの商品は遊び心とオリジナル性に溢れ(中にはアイデアを盗用したり、されたり、したものもあるかもしれませんが…)見ているだけで楽しくなるようなものばかりです。
アメリカをはじめ、イギリス、スペイン、イスラエル、韓国など世界各地にあります。
中でもぼくが魅力的に感じたブランドをリストアップします。

abeldesign(ソウル/韓国)
Appree(ソウル/韓国)
Archie McPhee(ワシントン/USA)
AREAWARE(ニューヨーク/USA)
ARTORI design(イスラエル)
ATYPYK(パリ/フランス)
AIUEO(大阪/日本)
balvi(バルセロナ/スペイン)
bitten(香港)
Blue Sky(イギリス)
bobino(オランダ)
CEDON(ドイツ)
D-BROS(東京/日本)
dci(/USA)
Ginger Ray(UK)
doiy(バルセロナ/スペイン)
DON FISHER(バルセロナ/スペイン)
DONKEY(ドイツ)※Catalog
Dreams Inc.(東京/日本)
Fred(ロードアイランド/USA)※Catalog
GAMAGO (サンフランシスコ/USA)
h concept(東京/日本)
HeadSprung(UK)
INVOTIS(オランダ)
KIKKERLAND(ニューヨーク/USA)※Catalog
labyrinth studio(バルセロナ/スペイン)
LAZY SMITH(ソウル/韓国)
Luckies(ロンドン/UK)※Catalog
Lufdesign(ソウル/韓国)
MAGNUM DESIGN(ソウル/韓国)
Meri Meri(イングランド/UK)
MIMI'lou(パリ/フランス)
Mitik(フランス)
Monkey Business®(イスラエル)※
Mustard(イギリス)
My Little Day(/フランス)
NPW(ロンドン/UK)
octaevo(バルセロナ/スペイン)
Ototo(イスラエル)
ommdesign(スウェーデン)
PA Design(パリ/フランス)
PAPER SOURCE(USA)
Peleg Design(イスラエル)※Catalog
PIROUETTE(/フランス)
Propaganda(/タイ)
QUALY(/タイ)
Rock & Pebble(カルフォルニア/USA)
SELETTI(/イタリア)※Catalog
SNURK(アムステルダム/オランダ)
SPINNING HAT(ロンドン/UK)
SUCK UK(UK)※Catalog
Strichpunkt(ドイツ)
Studio Roof (オランダ)
TAIT Design(USA)
Tattly(Brooklyn, NY/USA)
TOBER(イギリス)
trendform(スイス)
Tsé & Tsé associées(パリ/フランス)
TUNAPAPER(ソウル/韓国)
umbra(トロント/アメリカ)

おまけ
□世界の展示会
NY NOW(ニューヨーク/USA)
Top Drawer(ロンドン/UK)
Maison et objet(パリ/フランス)
Paperworld - Messe Frankfurt(フランクフルト/ドイツ)
JETRO見本市レポート

12.12.2014

フォントの選び方

フォントの選び方については、皆さん色々な基準があると思いますが、ぼくは対象に合わせてフォントを選ぶように意識しています。

例えば、その商品がこども向けの場合は、手書き風や丸文字の可愛らしいフォント。カッチリ男性向けの商品には、太めゴシック。中性的な商品であれば、ゴシックの角を丸くしたフォント、セリフとサンセリフの中間の文字の太さに強弱のあるフォントなどです。
下記はフォントを選ぶ上での独自の基準表です。



最近人気のこども向けのフォントは、七種泰史さん作成の「きりぎりす(PDF)」だと思います。紙を切り抜いた文字のように可愛らしく、とても親しみやすい素晴らしいフォントだと思います。



その他にも七種泰史さんのフォントには、魅力的なフォントがたくさんあり、そのフォントを使うだけで本の装丁などが立派に見えてしまう力があると思います。→七種泰史さんのフォント

最近人気のカッチリ男性向けのフォントだと、DINフォントだと思います。DINフォントは、ドイツの工業規格フォントで、主にドイツの看板などに使われているようです。ユニクロのフォントもこのフォントを参考にしているように感じます。



ゴシック系でも角をちょっと丸くするだけで、優しいイメージに変わります。ちょっと分かりずらいですが、HONDAのNシリーズのロゴは、角がちょっとだけ丸くなっています。角をちょっとだけ丸くするだけで、ゴシックの鋭い印象が和らぎます。


最後にアートディレクター佐野研二郎さんの言葉を紹介したいと思います。
「タイポを組むときはまず、伝えたいことを“どういう口調で”伝えたいかを考えると分かりやすいよ。楽しく元気に言うときは太めのゴシック。やさしくささやくときは明朝体を使って文字間を少し開ける(パラケッシュ)。タイポってのは口調なんだよ。そう考えるとフォントも選びやすくなるでしょ。」(出典:佐野研二郎のWORKSHOP より抜粋)

その他参考として
フォントの基本的な選び方
伝わるデザイン(書体の選び方)
デザインの小ワザ
見やすいプレゼン資料の作り方

11.19.2014

世界のデザインミュージアムショップ

ダニエル・ピンクさん著の「ハイコンセプト」という本の中で、世界の優れたデザインミュージアムが紹介されていました。そのミュージアムのサイトを見ていたところ、どのミュージアムにもとても魅力的なミュージアムショップがありました。
見ているだけでとても楽しいので、ぜひご紹介したいと思います。
(どのサイトも結構見づらいですが、がんばって探ってみると楽しい製品がたくさん出てきます。)

クーパー・ヒューイット国立デザインミュージアムショップ(ニューヨーク)
http://shop.cooperhewitt.org/

ニューヨーク近代美術館ミュージアムショップ(ニューヨーク)
http://www.momastore.org/

デザイン・ミュージアムショップ(ロンドン)
http://designmuseumshop.com/

ビクトリア&アルバート美術館ミュージアムショップ(ロンドン)
http://www.vandashop.com/

ヴィトラ・デザイン・ミュージアムショップ(ロンドン)
http://shop.design-museum.de/

下記加筆
ホワイトニーデザインミュージアムショップ(ニューヨーク)
http://www.shopwhitney.org/

グッケンハイムデザインミュージアムショップ(ニューヨーク)
http://www.guggenheimstore.org/

ウォーカーアートセンターショップ(ミネアポリス)
http://shop.walkerart.org/

日本で“デザイン”モノというと敷居も価格もお高めで、高級で洗練された手工芸品に新しい意匠を添加したものをイメージしますが、ニューヨークでもロンドンでも“デザイン”は市民にとって身近なものであり、生活の一部であり、製品から遊び心をとても感じます。

もちろん高級なものもあってよいと思いますが、できれば誰でも購入可能な手の届きやすいものも、日本にもっとあったらいいなと思います。(という自分も結構お高めな価格で商品を売っていますが、汗)

現在、三宅一生さんが発起人になり、日本初の国立デザイン美術館をつくろうとがんばっているようです。ぜひ敷居の低い身近なデザインミュージアムになってほしいと思います。





11.03.2014

デザインの賞

世の中にデザインの賞はいくつあるのでしょうか。デザインの分野では何十個もあると思いますが、その中で主要なプロダクトデザイン関係の賞をまとめたいと思います。

その前に、なぜまとめようかと思ったかというと、今までぼくは何十回もデザインの賞に応募しているにも関わらず、全く賞というものを頂いたことがありません。

賞とは一体なんなのでしょうか。ぼくは“箔を付ける”ことだと思います。では“箔を付ける”とは何なのかと辞書で調べてみると“重みを加える。貫禄をつける。”とあります。つまり他人から見て「なんか分からないけどスゴそう!誰か評価しているんだからきっといいものなんじゃない?」と思って頂けるようにするイメージ戦略だと思います。

ただ賞を取ったからといって売上げが上がるかというと難しいかもしれませんが、「この会社、入口にやたら賞状やトロフィーがあってなんかすごそうだなあ。」と思って頂くなど、二次的な効果はあると思います。

でもぼくは何度応募してもあらゆる賞を頂くことができません。つい先日も一つ落選しました。落選するのは実力がないから、と考えるのは簡単ですが。

ぼくの好きなデザイナーの一人の佐藤オオキさんは著作の中で、「賞が取れなくても全然気にしなくてよいです。審査員が「オレこの作品を選んだらかっこいいじゃん。」的な理由で受賞作品を決めることが多いと言ってました。

あともう一人ぼくの好きなデザイナーの佐野研二郎さんも「若い頃、何度もデザインの賞に応募したが、通ったためしがなかった」と言ってました。今では大変活躍している方も、賞が全然取れなかったという話を聞いてホッとしました、笑。

でもいずれは何でもいいから賞を欲しいと思っています。そして事務所を構えることができた暁には、入口に賞状なりトロフィーなり飾りたいと思っています。でもたぶん賞は頂けないので、自分で作って飾りたいと思います。

長い前置きはこれくらいにして、デザインの賞には、応募するだけでお金を取る有料のものと無料のものがあります。ちなみにぼくは無料のものしか応募したことはありません。

■応募にお金がかかるもの
グッドデザイン賞:一次審査料 10,800円+二次審査料 59,400円+発表会出展料 124,200円+年鑑掲載料 32,400円 = 合計 226,800円(必須)
受賞するまでに約23万もかかるんですかっ?!とめまいがしてきます。今までグッドデザイン賞はいいデザインなら自動的にもらえるものと思っていましたが、自分で大金を払って応募しないと絶対もらえない賞なのですね…。

iFデザイン賞:登録費用:€350(約5万円)、アワード受賞者の費用:€2,700(約38万円)こちらは受賞するまでに約43万ですかっ?!気絶しそうです。
詳細PDF

レッド・ドット・デザイン賞:登録費用レギュラー:€310(約4万)、€3315(約47万)から
こちらは受賞するまでに約51万…。もう何も言葉が出ません…。

日本パッケージデザイン大賞:エントリー料3,000円、出品料1応募作品あたり1,000円
これはかなり良心的な気もしてきました。

■応募が無料のもの
商品化されているもの
文具大賞

商品化されていないもの
雑貨大賞

その他
CUUSOO

そのほかにも登竜門というサイトで色々な賞を紹介しています。

ちなみに弊社にも少なからず色々な方々からデザインの企画のご提案を頂ことがありますが、コンペに応募してそれを誰かに商品化してもらおうとは思わず、自分で作って自分で売ってみるのも手だと思います。ほとんどのコンペは、デザインの全ての権利が主催者側に渡るものも少なくはありません。コンペによっては応募規約に誠意のないものもあります。

そもそもなぜ製品を世に送り出したいかというと、自分で考え、手塩にかけ生み出したものをより多くの方に使って頂き喜んでもらいたい、という思いがあるからだと思います。その思いを忘れて、ただ賞を取りたい!こうしたら賞取れそうじゃん、ちやほやされそうじゃんという思いで、ものづくりをしたのでは本末転倒ですよね。

なにか受賞できるまでは自分で作った賞状なりトロフィーなりで楽しんでいようと思います…。






9.21.2014

アートとデザインの違いは?

ものづくりをしていると必ず一度は出てくる「アートとデザインの違いは?」という問いがあります。
お互い全く違うものなのに、友達のようにとても近い存在なので、よく比較されがちです。ぼくは、アートは絵で、デザインは鉛筆だと思っています。アートは、その人がその人の独自の視点で描いたもの、作ったもの。デザインは、表現するときや生活で使うものだと思っています。

よく「アートは商業目的でなく、デザインは商業目的だ。」という意見も聞くのですが、それは違うと思います。アメリカのSOHO地区ではアートは完全に商業化されています。世界のアート市場は、骨董品のように、歴史や社会的背景、作者の哲学などを踏まえ、高度に鑑定をされた上で、オークション形式などを利用し流通されています。

アートは「他にはない独自の視点」を見せてくれるもの。だから「アートはよく分からないなあ。」と思う方もいると思います。でもある意味、それでアートは成功だとも思います。なぜなら作った人は、見る人が持っていない視点で、独自の視点で表現しているからです。

デザインは「見た目と機能」だと思います。鉛筆は書けないと鉛筆になりませんし、手に持ちやすい太さ7.5~11mmくらいの棒状になってなければ使いにくいです。

スガイワールドのコンセプトに、ハッピーデザインギフトと唱っていますが、実は、スガイワールドの商品は、アートとデザインをミックスさせたものだと思っています。

「他にはない独自な視点」を「機能的なデザイン」と合体させたものです。

スガイワールドの商品は「他にはない独自の視点」で、ものづくりがスタートしています。独自の視点と言っても、もうすでに多くの人が認識しているようなモチーフを、まだ誰も変換していないものに変えています。例えば付け髭を付箋にしたり、眼鏡を虹色が見える眼鏡に変えてみたり、しおりを変装できるしおりにしてみたり。

洗練された機能のみのデザインは、シンプルで美しいと思いますし、生粋のプロダクトデザイナーからは、「キミの考えるモノは邪道だ」と言われるかもしれません。

でも、アートの要素を取り入れたスガイワールドの商品は、皆さんの普段の生活の中で「他にはない独自の視点」を喚起し、楽しんで頂けるのではないか、と思い、日々製品開発に取り組んでいます。

12.20.2013

デザインの料金の相場は?

「デザインの料金ってよく分からないんだよなあ」という話を聞くことがあります。

デザイン料とは、デザイナーに対してのデザインの使用料です。
デザインは、デザイナーが放棄しない限り、デザイナーから著作権は離れることはありません。(ただし、企業に属しているデザイナーの著作権はすべて企業のものです。)
デザインの使用料をデザイナーに支払い、借りる、または買取るという考えです。

工業製品の場合は、ロイヤリティー(使用料)での支払いが一般的かと思います。製品・サービスの売れ高に対して支払う方法です。本を執筆した際、対価として支払われる印税もその一つです。なぜロイヤリティー(使用料)での支払いになるかと言うと、工業製品は、長ければ数十年デザインを使い続けることになるからです。
ロイヤリティー(使用料)は、上代(小売価格)の数%、または下代(卸値)の数%を支払います。下代(卸値)の3~5%がロイヤリティー(使用料)の相場のようです。その他にデザインの提案料として初回に3〜10万円程度発生する場合もあります。

ロイヤリティの掛率や販売個数によって数字が大きく異なります。年間どれだけ売る見込みなのか、何年間売り続ける予定なのか、どれだけの対価がほしいかなど、依頼者とデザイナーの協議の上、案件ごとに、臨機応変に取り決められているのが現状かと思います。

工業デザインではなく、グラフィックデザインであれば、例えば1人のデザイナーを丸一日拘束するぐらいの作業量だと、3〜5万円が適正かと思います。これは、あくまでもデザインだけの場合です(この費用に、企画をするプランナー、原稿を執筆するライター、写真を撮影するカメラマンの費用は、含まれていません)。企画も原稿も撮影もお願いしたいということであれば、この金額にさらにその費用がプラスされます。売れっ子デザイナーということであればデザインだけで、10〜100万円ということもあるかと思います。この費用の中には、コンサルタント費用も含まれている場合があります。どれだけそのデザイナーが市場価値が高くなりそうなデザインを提供してくれるか、ということが支払い額の判断基準になるかと思います。

日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が提供している料金基準表もあります。
JAGDA制作料金算定基準

デザインを依頼する方も、依頼される方も、よりよい関係を築き、末永く継続してお付き合いできるのがよいと思います。なのでデザインの料金は、お互いに無理のない範囲で、お互いの話し合いの中で、取り決めるのがよいと思います。

東京都中小企業振興公社が提供しているデザインについての資料もあります。
デザイン活用ガイド

11.24.2013

どうしたらデザイナーになれるのか

「どうしたらデザイナーになれるのか」という問合せを時々頂きます。
どうしたらデザイナーになれるんでしょうね!
「デザイナーになるまで絶対あきらめない」これが一番大切かもしれません。

ぼくは、映像制作、企画営業、何でも屋のデザイナーなど色々仕事をやってきて、
その結果、現在の活動をしています。日常業務の90%以上はデザイン以外の業務で、
営業、PR、新商品開発(資材手配、調整業務)、出荷業務、委託業務などをしています。

ぼくが好きなデザイナーのひとりに梅原 真さんという方がいますが、
「市場のおばちゃんが、気の利いた売り文句を、木の板に墨で描いた手書きのPOPは、最高のデザインだ」と冗談ではなく本気で言っていました。つまり、市場のおばちゃんは最高のデザイナーだと。ぼくもそう思います。
都庁で働いていた親戚のおじさんは、「なんで都の職員がデザイナーじゃないと言えるんだい、東京都のことを考え、運営する職員だって立派なデザイナーだろう」と。おっしゃる通りです。
でも、どうしたらデザイナーになれるか問合せしてきた方々に、
「そんなことを聞きたいんじゃないんですけど」と
言われそうなので、ちょっと真面目に答えますと。

専門学校に行って学ぶべきか、
予備校に通い美術大学への受験を目指すべきか、
考えるところだと思います。でもかなりお金の問題がありますよね。

ぼくは、大変有難いことに親からお金を頂き、予備校と美術大学に行くことができました。
予備校も美術大学へ行くのも大変なお金が必要です。
ぼくが、親の立場ならとても出せない大金です。

坊ちゃんじゃなきゃデザイナーになれないのか、ということですが、
そんなことはないと言いたいのですが、恵まれたぼく自身が何を言っても
説得力がなさそうです。

ただ時々有名なデザイナーが「絵が上手くなくてもデザイナーになれます」とか
言っているのを耳にしますが、ぼくはそうは思いません。それを言っているデザイナーだって
すごく絵が上手いし、ぼくは今まで絵が下手なデザイナーを見たことがありません。
(※ここで言う絵が下手、上手いとは、人にイメージが伝わる絵なのか、ということです。)
自分がイメージしている形を、その場で相手に絵を描いて説明したり、
デザインの下書きを手描きで描けなくては正直厳しいと思います。

ぼくは美術大学に入るためにデッサンや平面構成を
少なからず描きましたが、その努力の重要性をその時はあまり分かりませんでしたが、
今になるとすごくよい経験だったと思います。

全くお金のない方でもなんとか親戚の方にお願いしたり、働いて何とかお金を貯めて
一度学校に行くことをおすすめします。

デザインをする上で、何かを表現するための基礎力は、すごく重要だと思います。
まずは学校へ行き、そこで今まで知らなかったデザインの知識や表現を沢山得ることができると思いますし、何よりも、同じ志を持った素晴らしい仲間と出会うことができるかもしれません。

昔は、誰にも負けない努力をすれば、きっと道は開ける、と考えていましたが、
今は、努力もやり方次第ではゼロにもマイナスにもなってしまうと思っています。
努力してない人なんて、そうはいませんから。
何がしたいのか、どうしたらいいのか、必死に探し、正しい心と情熱と目標を持ち、
あなたがこの世界をハッピーにする素敵なものを発信するデザイナーになることを願っていますし、ぼくもこれからも必死にがんばります!