4.28.2016

どうやってデザインを決めるのか、どうやってデザインの質を上げるのか

「どうやってデザインを決めているんですか?」「どうやってデザインの質を上げているのですか?」と質問を頂きました。
デザインには正解がないので、どこまで突き詰めるか、難しい問題だと思います。

デザインとは機能だと考えています。誰のためのデザインなのか、その人のためにならなければ、全く役に立たないものになってしまいます。その上で気を付けていることがあります。

人の意見を聞く
デザイナーが作ったものは、往々にして独りよがりです。それは、デザイナーの多くが、デザインを自己表現の手段にしているからです。しかし、そもそもデザインとは、自己表現の手段ではなく、社会や組織の活動の文脈から必要になってくるものだと考えています。
“社会や組織の活動”と“デザイナーの表現”の相性がよければうまくいきますが、そのことを分かっていない社会や組織の幹部とデザイナーが出会ってしまうとかなり悲惨なことになってしまいます。経営とデザインは表裏一体です。
しかし現状は、自己表現したい人がデザイナーになっていることがほとんどなので、その勘違いを穴埋めするためにも、デザイナーは、経営についてよく学び、経営者や営業マンの話をよく聞き、それをデザインに反映させ、経営者や営業マンは逆にデザインについてよく学ぶ必要があると思います。

試作を繰り返す
製品を完成させるまでにどれだけ手書きし、考えたでしょうか。どれだけ実際に試作してみたでしょうか。完成度はその量と関係していると思います。
ちょっとでもラフを書いたら、即座にパソコンの作業に入ってしまう人がいます。でも、「手書きでのアイデアの量」と、「完成品の質」には密接な関係があると思っています。完成度を上げるには、パソコン作業に入る前の「手書きでのアイデア」の量を増やす必要があると思います。
パソコン作業に入っても、そこからの「試作の量」もまた、「完成品の質」と密接な関係があります。

世界の優れたデザインから学ぶ
会社内でデザイナーをしていると日々の業務に追われ、なかなか展示会に足を運びづらいかと思います。しかも、展示会に行くと言って外出することもなかなか難しいのではないでしょうか。しかし、デザイナーにとって国内に限らず、海外の展示会を見たり、活躍するメーカーの製品やデザイン書籍から学ぶことはとても大切だと思います。
デザイナーに対してデザインの質を上げてほしいと願うのならば、デザイナーに色々な展示会に足を運んでもらったり、質の高い製品やデザイン書籍を提供したりすることは大切だと思います。

常に改善する
スガイワールドの商品は、人には分からない程度の些細な改善を常に行っています。プロダクトデザインの改訂は、型を変えたり、デザインを変えたりと、お金も時間もかかりとても大変なことなので、そのようなことを行っている零細企業は、あまりなさそうです。しかし弊社では、お客様に対して常に最善の製品を提供したいので、お金がかかってもそのようなことを行っています。