11.30.2013

“モノやサービスの価値”と“価格”のバランス

最近、驚いたことがあります。健康診断を受けたんですが、後日その結果を聞きに行き、健康改善のための講習を受けたときのことです。
そこで、講習をしてくれた方が「この健康グッズは100均で購入できますから!」と連呼するんです。

100円でなんでも購入できるお店は、たくさんの方に重宝され、今の日本には無くてはならない存在になっていると思います。
でもぼくは、この「何でも100均至上主義」が恐ろしくてたまりません。
なぜなら、そもそもなんでも売値が100円で成立するわけがないと思うんです。

どうも「何でも100円だからよい、安ければ安いほどよい」という考えだけが先行し、原料や、作ってくれてる人への敬意が無視されているように感じるのです。工業製品だからといって、全く人の手がかからないものなんてありません。
「そもそもこれを100円で作れると思いますか?」と。
そこには、裏で低賃金で苦しんでいる人がいますし、社会全体の所得が、巡り巡って徐々に落ちていくという負のスパイラルにつながると思っています。

今の日本は、とくに何も考えることなく、直感的に「安ければよい」という考えにあまりにも偏りすぎていると思います。

経営者の仕事の中で、最も難易度が高く、高度で、重要なことに「値付け(値段を決めること)」があります。
値付けをちょっとでも間違ってしまえば、他社との競争に一瞬にして負け、仕事はなくなり、開発費も、人件費も、費やした時間も、すべてを無駄にしてしまいます。安くしすぎても、高くしすぎてもダメです。なので、決して簡単に決められることではありません。

ぼくも、新商品を出す際は、あらゆる競合になりそうな商品の価格を調べ上げ、どのぐらいなら、市場に受け入れてもらえるのかを比較検討しています。価格は、商品の見た目(デザイン)と全く同じように重要だと思っています。

話は大きくなりますが、
今の日本は、“モノやサービスの価値”と、“価格”のバランス感覚がぐちゃぐちゃになってきているような気がします。その“見る目”の低下が、社会全体の低所得化につながっていると思っています。

義務教育の中で、“モノやサービスを作るには、どのような希少価値のある材料が使われているのか” “それは、どのぐらい価値のあるものなのか” そして、“それを使って加工、製造するには、どれだけの人の労力と期間が必要なのか” を実体験を踏まえ、伝え、取り組んでいかなければならないと思っています。
そうじゃないと、自分たちを、自分たち自身で首締めることになると思うんです。

11.29.2013

企画ってどうやって考えてるんですか?

「何かを何かに置き換える」「何かに何かの機能を付け足す」という企画の考え方は、よくありますが、最近、ぼくの中で流行ってる企画の考え方で、“活喩法”というのがあります。無生物を生物(特に人間)であるかのように表現する方法です。

人間、落ちぶれてしまいたいときや、逃げてしまいたいときもありますよね。
そんな人間味あふれる心情を、今流行りのスマートフォンや家庭によくあるもの、例えば蛇口などに置き換えてみるのです。

例えば、“落ちぶれてしまいたい”スマートフォン。何があったんでしょうね。24時間、人差し指で飼い主にいじられますもんね、落ちぶれてしまいたいときもありますよね。

例えば、“逃げてしまいたい”蛇口。そうですよね、蛇口って自分で移動できませんもんね。よく働くのに、「ありがとう」の一言も言ってもらえませんもんね。昔は、水はとても神聖で、井戸には龍神様がいると考えられていたのに。今じゃ、水を出しっぱなしにしても、めちゃくちゃ怒る大人はあまりいなそうです。そんな尊重されない扱いじゃ、一度だけじゃなく、何度か逃げたくなりますよね。

そんな風に、人間味溢れる“言葉”を探し、目の前にある“モノ”に付け足してみてください。

例えば、会社で一緒に働く人から、“言葉”を汲み取ってもよいです。“一人になりたい”上司、“恥ずかしがり屋な”部下、“けたたましく怒る”同僚、そんな心情やキャラクターをくみ取り、ペンやカバン、スマートフォンなどに置き換えてみてください。

“一人になりたいペン”、“恥ずかしがり屋なカバン”、“けたたましく怒るスマートフォン”…。この“モノ”たちに何があったんでしょうね…。

あなたの身の回りにある“モノ”がきっと、もっともっと愛おしくなってくるかもしれませんし、実際の商品開発に活かせるかもしれません…(たぶん)。

11.27.2013

求人していますかー?

というお問合せをときどき頂きます。
展示会などでのお手伝いして頂ける方は募集しておりますが、正社員での募集はしておりません。
スガイワールドは、個人で事業を立ち上げたばかりで、きちんと人をお招きする体制が整っておりませんので、現在は正社員での採用活動は行っておりません。
そういったお問合せを頂くということは、弊社に関心をもって頂いていると思うので、本当に有難いです。しかもぼくは、就職活動中、何十社と理由も分からず、不採用になった経験があるので、お断りするのが本当に申し訳ないです。夢のある方々を早くお招きできる体制にしたいところですが、まずは事業を成長させることに傾注したいと考えています。

ぼくは、就職活動中「残念ながらご期待に添いかねることとなりました。」という文章を何度も見てきました。そのお知らせは、有難いことにデザイン会社っぽい大変立派な封筒に入って、何十通も何度も郵便で届きました。期待する気持ちを頑張って抑えながら封を開けますので、その文章を発見したときのガックシな感じは、1日や2日では立ち直れません…。こちらは、会社にどう貢献しようとしているか、頭をひねり出して頑張って履歴書に志望動機を書いてるのに、なぜ不採用なのかは、どの会社も全く聞かせてはくれませんでした。「あなたより他によさそうな人がいたから」という理由なんだとは思いますが…。不採用になったときって、自分のどこらへんに落ち度があったのかを知りたいもんです。

少なくとも弊社に求人のお問合せをして頂いた皆様には、全く落ち度はありませんし、チャレンジ精神旺盛な素晴らしい方だと思います。就職活動中の皆さんが、少しでも早くうまくいくよう、心から願っています。自治体にあるハローワークで探したり、デザイン系の求人は、雑誌ブレーンや宣伝会議などに掲載されていたり、下記のようなサイトで求人情報を見つけることができます。

美術出版社提供の求人情報
JDN提供の求人情報
CINRA.JOBの求人情報
Job Stageの求人情報
CBCNET提供の求人情報
クリエイターズNAVIの求人情報

しかし、求人情報には限界もあると思っています。
20代、30代は、人とのつながりを築く大切な時期だと思います。友人づてでもよいと思いますし、なんとかアポイントを取って、興味のある会社の人に会ってもらうでもよいですし、友人の親や、先生、親戚、近所の知り合い、知り合いの知り合いの知り合いの方に、やりたい仕事を紹介してもらってもよいと思います。とにかく、あらゆるチャンス、あらゆるつながりを総動員して、仕事を見つける努力をしてよいと思います。
仕事でも出会いでも、なんでも自分で取りに行く人にしか、やっぱりチャンスは来ないんですよね。

そしてできるだけ、自分がやってみたい仕事に、少しでも早くチャレンジすることをおすすめします。大きい会社じゃないから、有名じゃないから、やりたいこととちょっと違うかもしれない、という理由で会社をあまり選り好みしないことをおすすめします。あらゆる経験が自分の血となり肉となると思います。ぼくは、ジュンク堂書店でアルバイトを1年以上し、映像制作会社でADを2年、デザイン会社で企画営業を3年、メーカーで3年グラフィック、プロダクト、イベントなどあらゆるデザインと商品開発をさせて頂きました。

ぼくも経営者ということでは、これからが勝負です。ぜひ皆さんと社会でお会いできることを楽しみにしております!

英語が話せる方が優先になりますが、展示会などでお手伝いして頂ける方を募集しておりますので、お気軽にお問合せください。
お問合せは▶こちらから

11.26.2013

生活苦になったら、

生活苦だと、お金がないので、スマートフォンを持つ余裕もなく、インターネットを見ることさえできないので、情報が限られ、どうしたらいいのか全く分からなくなります。本当につらくなると、負のスパイラルに陥ります。そうなってしまうと、誰かに助けを求める発想もなくなってしまいます。

ぼくは、今考えると、就職浪人中、けっこうこのようなウツの症状が出ていたと思います。そうなってしまっても、なかなか周りの人は気づくことはできません。

就職浪人中は、池袋にあるジュンク堂書店で、アルバイトをしながら生活をしていました。アパートのある目白まで、歩いて帰宅するのですが、毎日、帰り道、最低でも3人ぐらいのホームレスの方を見かけました。
東京に出て、一番違和感を感じたのは、東京には沢山のホームレスの方がいるということでした。

あるとき、ホームレスの方に話しかけました。なんで東京にはホームレスの方を救済してくれる人がいるのに(池袋には、夜、ホームレスの方を見回る活動があります)、今の生活を改善しようとしないのかなあ、と。聞いてみると、その人は、今のホームレスの生活を改善しようとは考えていませんでした。
ネットで調べたところ、ホームレスの方の、約30%が「今のままでよい」と考えていたのです。生活の改善を考えているホームレスの方の多くは、何らかの生活の改善ができているようでした。
つまり、本人に変わろうとする意志あれば、変わることはできる、ということでした。
この事実を知ったことは、自分にとってとても大切な気付きでした。

「変化できるか、改善できるか」は、日常業務にとって、会社の経営にとって、とても大切だと思います。同じように、一個人としても「変化できるか、改善できるか」は、とても大切なことなんだと思います。

ぼくは、就職浪人中、何十社と会社を受けましたが、全く受からず、自分が社会に必要とされていないと思いました。しかも、あまりに不採用になるので、友人には、「社会不適合者」と呼ばれ、そうなんだと思いました。なので、やっと就職できたときは、仕事で家に帰れない日々が続き、業務に理不尽なことがあっても必死に働きました。

そして、独立した今、ぼくは、なんとかスガイワールドの活動を成功させて、「そもそもこの世に、社会不適合者なんていない、だれもがこの社会をよりよくする使命があるんだ」ということを証明したくてがんばっています。

※生活がどうしてもつらくなったら、誰かに助けを求めることがとても大切だと思います。電話がつながりにくいそうですが、よりそいホットライン(0120-279-338)にぜひ助けを求めてください。自立生活サポートセンターや生活保護制度、行政のセーフティネットを頼ってください。→自立生活サポートセンター・もやいさんのリンク

11.25.2013

次に何が流行りますか?

と聞かれることがあるんですが、何が流行るんですかね!
今まで実は、とくに流行りを意識したことはないんですが、
ひげ付箋を出した後、たまたまヒゲブームだったこともあり、
有難いことに「スガイワールドさんは、結構流行りに乗ってますよね!」みたいな
ことを言って頂くことがあります。

「次に何が流行りますか?」に真面目にお答えするとしたら。

1950年以前は、公共のものだったお風呂場や、水場、洗濯場、電話、テレビなどが、
1950年以降、これらが家庭のものへと変化していきましたよね。

1990年代にもなれば、それがなんでも個人のものになり、
これからは、電力源や工場、放送局、出版までもが、個人のものへと変化していくと思います。

なのでこれからはますます、「電力源」「工場」「放送局」「出版」「病院」のような、
今まで大きな会社や組織しか手を出せなかったものが、個人のものになり、
それに関連するモノやサービスがどんどん出てくるのではないかなあ、と
勝手に考えています。

自家用発電、日曜大工の部屋などをすでにお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、
完全に個人のための、発電、工場、放送局、出版、病院、医療です。
それらを上手に使いこなす人がどんどん現れ、ますます注目されていくのではと思っています。

その他参考として
Y Combinatorがスタートアップ起業家にリクエストし、最も注目する22の事業領域

11.24.2013

どうしたらデザイナーになれるのか

「どうしたらデザイナーになれるのか」という問合せを時々頂きます。
どうしたらデザイナーになれるんでしょうね!
「デザイナーになるまで絶対あきらめない」これが一番大切かもしれません。

ぼくは、映像制作、企画営業、何でも屋のデザイナーなど色々仕事をやってきて、
その結果、現在の活動をしています。日常業務の90%以上はデザイン以外の業務で、
営業、PR、新商品開発(資材手配、調整業務)、出荷業務、委託業務などをしています。

ぼくが好きなデザイナーのひとりに梅原 真さんという方がいますが、
「市場のおばちゃんが、気の利いた売り文句を、木の板に墨で描いた手書きのPOPは、最高のデザインだ」と冗談ではなく本気で言っていました。つまり、市場のおばちゃんは最高のデザイナーだと。ぼくもそう思います。
都庁で働いていた親戚のおじさんは、「なんで都の職員がデザイナーじゃないと言えるんだい、東京都のことを考え、運営する職員だって立派なデザイナーだろう」と。おっしゃる通りです。
でも、どうしたらデザイナーになれるか問合せしてきた方々に、
「そんなことを聞きたいんじゃないんですけど」と
言われそうなので、ちょっと真面目に答えますと。

専門学校に行って学ぶべきか、
予備校に通い美術大学への受験を目指すべきか、
考えるところだと思います。でもかなりお金の問題がありますよね。

ぼくは、大変有難いことに親からお金を頂き、予備校と美術大学に行くことができました。
予備校も美術大学へ行くのも大変なお金が必要です。
ぼくが、親の立場ならとても出せない大金です。

坊ちゃんじゃなきゃデザイナーになれないのか、ということですが、
そんなことはないと言いたいのですが、恵まれたぼく自身が何を言っても
説得力がなさそうです。

ただ時々有名なデザイナーが「絵が上手くなくてもデザイナーになれます」とか
言っているのを耳にしますが、ぼくはそうは思いません。それを言っているデザイナーだって
すごく絵が上手いし、ぼくは今まで絵が下手なデザイナーを見たことがありません。
(※ここで言う絵が下手、上手いとは、人にイメージが伝わる絵なのか、ということです。)
自分がイメージしている形を、その場で相手に絵を描いて説明したり、
デザインの下書きを手描きで描けなくては正直厳しいと思います。

ぼくは美術大学に入るためにデッサンや平面構成を
少なからず描きましたが、その努力の重要性をその時はあまり分かりませんでしたが、
今になるとすごくよい経験だったと思います。

全くお金のない方でもなんとか親戚の方にお願いしたり、働いて何とかお金を貯めて
一度学校に行くことをおすすめします。

デザインをする上で、何かを表現するための基礎力は、すごく重要だと思います。
まずは学校へ行き、そこで今まで知らなかったデザインの知識や表現を沢山得ることができると思いますし、何よりも、同じ志を持った素晴らしい仲間と出会うことができるかもしれません。

昔は、誰にも負けない努力をすれば、きっと道は開ける、と考えていましたが、
今は、努力もやり方次第ではゼロにもマイナスにもなってしまうと思っています。
努力してない人なんて、そうはいませんから。
何がしたいのか、どうしたらいいのか、必死に探し、正しい心と情熱と目標を持ち、
あなたがこの世界をハッピーにする素敵なものを発信するデザイナーになることを願っていますし、ぼくもこれからも必死にがんばります!

11.23.2013

最近10代や20代の方に相談を頂くことがあります。

ぼくの10代、20代は、明確な夢がなく、何を目指したらいいのか全く分からず、日々悶々と考え、思い立ったことをただやってみる日々でした。かの有名なユニクロの柳井社長でさえ、若い頃、夢はなかったそうです。

過去の自分に何を言ってあげられるのか。
明確に「何になりたい」というよりは、「どんなことをしたいか」が
大切なのかなあ、と何となく思います。
みんな、この社会をよりよくする使命があると思います。
自分のどんな能力で世の中の役に立てるのか。

ぼくは、図工が好きで得意でした。こんなものやこんなことがあったら
楽しいのにな、とときどき考える癖がありました。
サラリーマン時代、ストレス解消目的で、
「この満員電車がなんでディズニーランドの乗り物みたいに楽しくならないのかなあ」と
考えたり、「会社の人たちをめがねに例えたら、どんな眼鏡になるかなあ」
とヘンテコなことを考えたり。それが、今まで続いていて、スガイワールドの活動につながっています。

若い皆さんには(若くない皆さんにも)、この世の中をもっともっと素敵にする力が沢山眠っていると思います。
その無限の力をどうにか表に出し、この世の中をもっともっと素敵にしてほしいと思いますし、ぼくもほんのちょっとでもこの世の中がハッピーになるようなことをしたいと考えています。