4.20.2015

人は論理ではなく、感情で買う

先日たまたま日経MJの人気コラム「招客招福の法則」を拝読しました。大変興味深い内容だったので、著者の小阪裕司さんという方に興味が沸き、その方の本を一通り読んでみました。小阪裕司さんの書籍一覧は▷こちら

小阪裕司さんは、商売について学術的に研究されていて、どの本もとても興味深い内容でした。小阪裕司さんのメッセージを自分なりに簡単にまとめると、

・人は論理ではなく、感情で買う。頭ではなく心を動かすことが購買につながる。
・売り手と買い手の温度差、情報の格差、を埋めることが重要。

というこの2点が商売の上で、大切なのではないかと受け取りました。

作り手は、どうしても自分がこだわった点や苦労した点、素人では到底分からない細部について固執し、独りよがりになってしまうところがあります。特に男性にその傾向が強いように感じます。例えば、この素材は特殊な新素材を使用している、この細かい成形はとても高度な技術を要するなど。でも買い手の主婦の方や若い方にはそのような部分には全く興味がありません。
それよりも単純な見た目の可愛さや、肌触りの良さ、利便性、信頼性など、感情を動かされるようなところが重要です。

また、商品を作った人は、作った商品について当たり前のように知っていることでも、店頭で初めて見る人には、何も商品の情報は伝っていません。その情報の格差を埋めたり、なぜ買わなければいけないのか、をきちんと伝える必要があるようです。

そのようなことを作り手が体系的に解決できるように、小阪裕司さんは「価値要素採掘マップ」というものの利用を提案しています。



この表を簡単にいうと

作り手の視点で考えられること
・論理的な商品の価値は何か(効果・効能のような、頭で理解できる価値は何か)
・感情に訴えかける商品の価値は何か(感動や癒しなど心が豊かになるような価値は何か)
・開発秘話(どのような想い、歴史、経緯、技術、素材、苦労話、希少性などがあるか)

をお客様の視点に置き換え
・解決される問題
・どのような満足を期待できるか
・買わなければいけない理由

をきちんと書き出し、それを作り手がきちんと伝える、ということだと思います。

その他にも「何それ!やってみたい!」という気持ちや「これって〇〇なんだって!」と人に教えたくなるポイントを、作り手がお客様にきちんと伝えることもとても大切なようです。

小阪裕司さんがおっしゃっている内容は、商品説明のみならず、プレスリリースにも大いに役立つと思います。

小阪裕司さんのホームページは▷こちら