4.25.2015

模倣品製造販売業者とどう戦うか

大きな展示会に出れば、自社の模倣品が世の中に出回るようになる危険性がとても高くなることは事実だと思います。
中国の模倣品製造販売業者は、展示会や出展社リストから常に模倣しやすそうなものを探し、模倣してお金儲けをしようと企んでいます。模倣品の70%以上が中国製です。

中国の模倣品製造販売業者にとって日本はデザインを盗むことができる最高の対象です。

日本は開国し、自由貿易をしている国です。その時点で世界基準で製造や流通を考えなければいけないのにも関わらず、島国のせいか、世界を視野に考える思考が乏しいのかもしれません。日本の液晶テレビもケータイも世界基準ではなく、日本基準の仕様と高価格で見事に負けてしまいました。

一番安く、しかも高品質で作れる場所で作る、ということはメーカーにとって重要なことだと思います。2015年4月24日に発売された最新式時計型端末アップルウォッチ(価格は4万2800円〜218万円)が世間を騒がせていますが、その最先端のアップルウォッチは中国の江蘇省常熟市の工業地帯で月給約6万8000円で働く中国人の方々が作っています。
参照:Apple Watch製造工場で見えた不安(日経ビジネス)
その中国で、アップルウォッチの模倣品が発売前から約4千円で売られています。
▷Apple Watch 早くも模造品が中国に登場

日本も昔は模倣品をたくさん作っていたので、人のことは言えないという方もいらっしゃいますが、それは違うと思います。どこが違うかというと、その頃の日本と比べても今の中国は教育を受ける機会が著しく乏しく、生活があまりにも苦しい人もたくさんいます。驚くべきことに2015年の現在も20万人もの人々が人身売買されています(参照:“行方不明児20万人”の衝撃 クローズアップ現代)。中国には危険な薬物の製造販売業者も多くいます。投資銀行の資金の持ち逃げも多発しています。当局の取締は全く行き届いていません。

中国人の方が「日本を見ていると中国の30年後の未来を見ているようだ。」と言っていました。1970年代の高度成長期に日本人が自分たちを一億総中流と呼び、誰もがよい暮らしをすることができるようになりましたし、誰もが義務教育を受けることができる社会になることができました。中国がそうなるには、30年先の2045年かもしれませんが、今の中国のやり方では、そうなることは難しいかもしれません。中国は過去の自国の犯した大きな罪を今だ隠し、人々の言論を強く取り締まっています。中国が民主化し、平等と感じるような社会になるには今のままでは情報統制や社会統制が強すぎます。

そんな中国の人たちの多くは知的財産権や盗用のことなど分かりません。たとえ分かっていてもそれを取り締まらない当局のせいにします。

中国の工場は、日本の弱小メーカーの製品のデザインを狙っています。中国で作れないものは、ほぼないと思います。日本の弱小メーカーは大企業に比べ資金面や流通面が弱く、中国の工場を取り締まることができないことを知っています。
自社で使えそうなデザインを見つければ、それをすぐに取り入れ、自社でも作ってみようとします。中国のほかの工場が、その模倣品が売れていると聞けば「ではうちもそれを作ろう」とどんどん偽物は広がっていきます。

弱小メーカーの、どの弱みが一番狙われるかというと価格面と流通面です。日本で作るために高コストになり、流通チャンネルの構築も脆弱です。
それとどう戦うかとすれば、

・日本製は中国製よりも品質が勝る
・日本人にしか作れないものがある
・日本だけで売れればよい
という考えを捨て、

・中国や途上国で圧倒的に安価で高品質に作る工場を探す
・中国の工場が横流しや転売しなくてよいぐらい大量に世界で売る
・アリババ、タオバオなどの中国のECサイトで世界中に売る
・中国で商標や知財権を取る
・製品写真に自社アドレスを入れる
などだと思います。

そうできなければ、自社の模倣品が世界中に溢れ(←弊社は今ここ)、それが日本に輸入されたとき、弱小メーカーはたちまち立ち行かなくなると思います。

では、なぜスガイワールドはできるだけ日本製にこだわるのか。それは、自分が信頼する日本人が作ったものを皆さんに安心して使ってほしいし、自分もそれを使いたいからです。

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