12.08.2014

アイデアの出し方、企画の考え方

弊社スガイワールドは、100%自社で商品企画をしているので、ときどき「よくアイデア思いつきますね!」「いいアイデアですね!」と言って頂きます。
ぼくは4、5年前からストレス解消目的でアイデアノートというものを描いています。今ではそのノートが約20冊くらいあって、1冊当たりのアイデアが、40ページ×約5案=約200案あります。それが約20冊あるので、約20冊×約200案で約4,000個以上のアイデアがあります。

そのアイデアの中で、在庫の場所に困らず、輸送しやすい「A4サイズに収まる、厚さ1cm以内のアイデア」のみ商品化しています。

電車のアイデアや、家のアイデア、傘のアイデアなどもあるのですが、大きすぎるのでそれらは商品化しません。

アイデアはたくさんあるので、商品企画はとくに困らないのですが、アイデアは決して特別な人が思いつくものではないと思っています。やり方を知り、練習すれば誰でもたくさんのアイデアを思いつくことができると思っています。

「アイデア」についてあまり知られていないことがあります。
・「アイデア」とは量である
・「アイデア」の段階で絶対「アイデア」の評価してはいけない
ということです。

「アイデア」というのは、子どもの意欲やマッチの火に似ていると思います。
摘もうとすれば簡単に摘むことができますし、
消そうとすれば簡単に消すことができます。

よく「アイデアが出なくなったりしませんか?アイデア枯れませんか?」と言う方がいらっしゃいます。“アイデアとはそもそも枯れるものではなく無限に広がるもの”です。それなのに、社会にはアイデアを頭ごなしに否定する人が多いために、心が枯れてしまい、アイデアも枯れてしまうのです。心が枯れなければ、アイデアが枯れることはありません

子どもの意欲やマッチの火に善し悪しがないように、アイデアの本質に善し悪しはないと思っています。子どもの意欲やマッチの火が悪いものになってしまうのは、扱い方が悪い大人のせいだと思います。

どんなアイデアもよりよくすることができるのです。
そこで、ぼくがオススメする3つのアイデアの出し方をご紹介します。

「バッドアイデアをグッドアイデアにするワークショップ」
スタンフォード大学ティナ・シーリグ教授は、「バッドアイデアをグッドアイデアにするワークショップ」を行っています。例えば、「こんな文房具は絶対いらない、嫌だ、最低だ。」というものをみんなでアイデア出しをします。人は、「良いと思う最高のアイデアを出してください。」というと難しく思いますが、「悪いと思う最低なアイデアを出してください。」というと際限なくアイデアを出すことができます。
そこを狙ったワークショップです。
悪いアイデアを一通り出したら、そのアイデアをどうすれば良いアイデアになるか、みんなで知恵を絞ります。最初は「無理じゃない?」と思っていても、みんなでなんとかよりよくしようとすると、最低のアイデアも不思議とよいアイデアにすることができます。
このワークショップをやってみると「アイデア」に善し悪しはない、ということが分かります。

「アイデアしりとり」
2014年までバンダイにて企画開発をしていた高橋晋平さんが考えた「アイデアしりとり」です。氏曰く「アイデア発想の三大原則」というものがあり、「アイデアとは、組み合わせ、質より量、まずはダメなアイデアから。」という考えのもと

1、テーマを決める。
2、しりとり(連想でも可)をしながらアイデアを100個書き出す。
(※スピード重視、テーマとずれても良い、あいまいでもいい、関係なくて良い)
3、出したアイデアからベスト5のアイデアを選ぶ。
4、1〜3を繰り返して、良いアイデアを出していく。
というものです。

A:しりとり(連想でも可)と
(ちなみに、しりとりはほぼ日本語しか成立しないので、英語の場合は連想ゲームのほうがよいかもしれません。)
B:テーマ「女性をターゲットにした画期的な商品提案」
を組み合せます。

A + B
いくら+ガール、→いくらに醤油ではなく、オリーブオイルを垂らして食べてみる。
   ↓
ラクダ+ガール、→ロデオボーイならぬ、ラクダガール。
   ↓
田んぼ+ガール、→女性農家の顔が見えるお米。
   ↓
星空+ガール、→iPhoneのカメラ機能を使って正座の名前が画面に表示される。
   ↓
らっきょ+ガール、→臭くないらっきょ。
   ↓
ヨーグルト+ガール、→便秘解消ヨーグルト。
   ↓
トラベル+ガール、→添乗員、ホテルの接客が全て女性が対応する海外ツアー。
という感じです。

「オズボーンの発想法」
さらにそれをアレックス・F. オスボーンさんが考えた「オズボーンの発想法」によって、かき混ぜてみてもよいかもしれません。(オズボーンさんはブレインストーミングの考案者でもあります。)

1)ほかの利用法を考えてみる Put to other uses
例えば、ヨーグルトを風呂にする、ヨーグルト風呂など

2)何かを参考に(借用)してみる Adapt
例えば、流行りの宙ガールを、水ガール、土ガール、火ガールなどに変えてみるなど

3)(形や方法、色や温度、動きや香り)ちょっと変えてみる Modify
例えば、いくらを宝石のように固くし、ピヤスやネックレス、ブレスレットにしてみるなど

4)極端に大きくしてみる Magnifty
例えば、らっきょのように大きなクッションなど

5)極端に小さくしてみる Minify
例えば、デスクの上における小さな田んぼなど

6)置き換えてみる、代用してみる Substitute
例えば、ラクダガールのラクダを象やうさぎや亀に置き換えてみるなど

7)(順番や位置の)配置を換えてみる Shuffle
バレンタインだけど男子が女子にプレゼントするなど

8)組み合せてみる Combine
〇〇+ガール
(出典:Alex Osborn(1987)your creative power 邦題:「創造力を生かす」)

以上、スタンフォード大学のティナ教授の「バッドアイデアをグッドアイデアにするワークショップ」、高橋晋平さんが考えた「アイデアしりとり」、オズボーンさんが考えた「8つの発想法」をご紹介しました。

このほかに、MITメディアラボ ミシェル・リスニックさん(MIT Media Lab Mitchel Resnick 2014)が2014年に発表した「4つのP」という考え方もオススメです。

「Four P’s」というもので、
創造的になるには
Projects:有意義なプロジェクトにする
Peers:仲間と一緒にやる
Passion:情熱が沸くことをやる
Play:具体的に物を作って触って遊ぶ
というものです。

よいアイデアが出せないと思っている人は、すぐに最高のアイデアを出そうとしてしまいます。アイデアと算盤(売れるか、作れるか)を付合わせてはいけません。算盤は実行するときに使うものです。

大切なのは、アイデアに対してすぐに善し悪しを決めず、実現可能かどうかも決めず、可能な限り広く、大きく、みんなと楽しくたくさん出そうとすることだと思います。

たくさんのアイデアが出たところではじめて「需要度」と「実現可能性」の二つの軸を基準に割り振っていきます。

さらにそのアイデアを「見た目」「機能」「裏付け」の3つのポイントにおいて、できるだけ5点満点に近づけることができるように調整します。

スガイワールドでは、学校や企業の方に向けてアイデア出しの具体的なワークショップも行っています。もし「会社でアイデア出しのワークショップをやってみたい!」という方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。お問合せは→こちらから

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