7.28.2014

商品の価格表示について

商品を作り、販売するメーカーにとって、商品の価格表示方法をどうしたらいいかは、最初に悩むところだと思います。ぼくも自社の商品の価格表示についてどう明記したらいいのか分からず、最初は「¥〇〇税込」とだけ商品に印刷していました。

でも、知り合いの税理士の方に「この先、消費税が上がるから価格の表示方法を変えておいた方がいいですよ。」と助言を頂き、これは面倒になりそうだと思ったので、商品から徐々に価格の表示を消していきました。
それが功を奏し、税率が上がってもあたふたすることはありませんでした。

ところで、商品に対してどのように価格を表示をするのが正しいのでしょうか。
思い切って公正取引委員会の方に直接電話で聞いてみました。

独占禁止法で、メーカーが本体に価格を表示する際は「(メーカー)希望小売価格(税抜き)or(税込み)」ときちんと明記することが推奨されているとのことです。

市場には、本体価格、上代、定価、販売価格など、色々な価格を意味する言葉が反乱していますが、メーカーが消費者に対してこれらの表示をすることは推奨されておらず、独占禁止法に違反する可能性もあるとのことです。そんなこと知りませんでした!

ちなみに、上代、定価とは流通業者間で使われる言葉だそうです。メーカーがこの言葉を消費者の方に表示するのはNGだそうです。

ですので、メーカーが価格を表示したい場合は、「(メーカー)希望小売価格¥〇〇+税」ときちんと表記することが適切だそうです。

また、販売価格を小売店に対して強制することは、独占禁止法で禁じられているそうです。「あのお店は安売りするから売らない」とか、「この商品は絶対に¥〇〇で売ってください」とは言ってはいけないそうです。

でも、メーカーの商品イメージに合わないお店であったり、売り先がたくさんあって間に合ってる場合に取引をお断りすることは問題ないそうです。ただ、「この地域にはもうすでに商品を販売しているお店があるから売らない」ということも独占禁止法で禁じられているそうです。

商品の価格を表示するにも色々な取り決めがあるんですね!

独占禁止法について詳しくは公正取引委員会の▷こちら

7.17.2014

商人の家系ではない自分が歩む道

とある会社の方から、その会社の取引先が倒産になったことを聞きました。
「その取引先は資本金も潤沢にあり、有名で信頼もあった会社だったんですが。」
資本金があっても、有名であっても信頼があっても会社は倒産します。

株式会社スガイワールドは、大変小さな会社ですが、会社は会社、人ごとではありません。ぼくは、美術大学出身で、親は、兼業農家、商人の家系ではありません。世の中の社長の多くは、少なからず商人の家系を引き継ぎ、代々受け継がれた商人の教えや知恵を財産に道を歩んでいます。

ぼくは、ものづくりが比較的得意な方だと思っていますが、ものを作ることと商売は全く別ものです。スガイワールドを立ち上げた当初は、何も分からず、色んな人に売り方、やり方を聞き回りました。でも、「おうおうそうか、教えてあげよう」なんて人は、滅多にいません。煙たがれることの方が多いです。そんな中、たった一人、色々教えてくださる方がいらっしゃいました。その方のおかげで今のスガイワールドがあることは間違いありません。

ただその方に教えを請い続けるだけでは能がありません。経営に役に立ちそうな本を図書館で毎週のように借りては読み続けています。そんな中、イトーヨーカ堂の伊藤さんが自身の本の中で東京新宿中村屋の創業者、相馬愛蔵という方を紹介していました。
残念ながら、相馬さんの本は、古すぎて世田谷区の図書館で所蔵がないのですが、インターネットに本の内容が公開されていました。「私の小売商道

その本を読み大変感銘を受けました。自分自身が日々経験し、考えてきたことや、日頃から、手探りで色々な本のよいと思ったところを抽出し学んできたことが、相馬愛蔵さんの本に大変分かりやすく明確に書かれていました。
現在ではこの相馬愛蔵さんの「私の小売商道」という本は自分の指南書になっています。
その本の中に紹介されているいくつかの内容をご紹介します。

商売は地味にやるべし
1ヶ月の家賃は1日の売上げ程度に止める

販売の仕方
お得意様には、親疎遠近関係なく平等に売る

広告費について
総売上の100分の1以下

仕入れについて
値切り倒しや支払い延期はしない

正札主義
1個の商品に2つの価格は付けない

中元歳暮廃止、自分の商売以外のことには手を出さない、等々

色々と大変ためになることがたくさん書いています。相馬愛蔵さんも商人の家系ではなかったそうです。でも、自身の知恵と努力で立派な会社を経営されました。

ある会社の方から聞いた倒産の話は、我が身が引き締まる話でした。
資本金があっても、有名であっても、信頼があっても、会社は倒産します。ただ、倒産を回避し、会社を順調に経営する方法はあると思います。

先人から多くを学び、正しい考えと努力で一歩一歩丁寧に。気を引き締めて、歩んで行こうと思いました。



7.15.2014

尊敬する人はいますか?

尊敬する人はいますか?と時々聞かれることがあります。
尊敬する人は、たくさんいるのですが。

ぼくは、生きている人みんなを尊敬しています。だって生きるって本当に大変です。

一度、社会の仲間はずれになってしまうとたちまち路頭に迷ってしまいます。一回でも住むところがなくなり、住所不定になってしまうとバイトにも採用されなくなり、生活費を稼ぐことはとても難しくなってしまいます。

そのような人を減らすためにも、日本の各地方自治体には、セーフティーネットと呼ばれる社会保障があります。

住むところがなくなってしまっても、各地方自治体が住む場所を一時的に提供し、就労支援します。でも、本当に生活に困窮してしまった人は、ケータイもなければ、インターネットで検索し有益な情報を得ることもできません。
ですので、各地方自治体の福祉課に自分の力だけでたどり着くことはとても難しいと思います。食べるもの、住むところ、着るものにも困ってしまっていたら、生きる気力もなくなって、福祉課に行ってみようという気持ちさえもなくなってしまうと思います。

しかも、いざたどり着いたからといって、簡単に住む場所を提供してもらい、就労支援してもらえるかといったら、そうもいきません。色々な細かい手続きや審査を待たなければいけません。

この日本は、交通事故でなくなる人より、自殺する人の方が多いそうです。
2012年の交通事故死者数は、約4千人(警察庁交通局調べ)。
自殺者数は、約3万人(警察庁調べ)だそうです。多くの人が自分で自分の命を絶ってしまうのです。

みなさん生きるのに必死です。みんながんばって生きています。だから、人を安易にけなしたり、笑ったり、バカにしたりしないで、自分ができる精一杯のことをしてほしいと思っています。

ぼくは、社会不適合者なんてこの世にいないと思っています。人は、人に必要とされているか分からなくなると、事件を起こしたり、自殺してしまったりすると思います。
ぼくは、生きている人みんなにこの世の中をよりよくする使命があると本気で思っています。

スガイワールドの活動を通して、自殺する人が少しでも減ったらいいと本気で思っています。
大学のときの先生に言われました。「キミがやってることと自殺者を減らすことってすごく遠いよね。」
でも遠くてもいいんです。スガイワールドの商品のようなヘンテコなものがある世の中っておもしろいよね、楽しいよね、と思ってくれる人が少しでも増えれば、それでいいと思っています。

食べるもの、住むところ、着るものに困っている人は、スガイワールドの商品に見向きもしないかもしれませんし、逆に腹が立つかもしれません。

でもスガイワールドの商品で少しでも、楽しく生きることができる人が増えたらいいな、と日々考えながら活動しています。

尊敬する人は、今を生きているみんなです。