8.30.2015

ワンオブじぇむ

恵まれた日本に生まれ、日本で育つと、自分が何をしたらいいのか、どう社会と関わり、どう社会の役に立てばいいのか、分からないという人もいるかもしれません。
現にぼく自身、今の今までそのような思いを抱いて生きてきました。

人は人の役に立つために存在する。最近はそう思います。

漫画家の蛭子能収さんがテレビで、思い悩んでいる若者に対してのメッセージとして「オンリーワンじゃなくワンオブじぇむ。」と言っていました。唯一の存在になろうとするのではなく、みんなの中の一人になる、ということだと思います。

テレビやインターネットでは活躍する有名人が取り出だされ、有名になること、名声を得ること、唯一無二の存在になることが素晴らしいことのように伝えられます。
でも社会で生きるということは、みんなの中の一人として役に立つことの方が大切だと思います。

以前もログに書いたのですが、自動車メーカーのホンダ創業者、本田宗一郎さんは「社長なんて偉くも何ともない。課長、部長、包丁、盲腸と同じだ。」と言っていたそうです。

ほんとにその通りだと思います。社長とは社会の中のただの役割です。それを勘違いし「オレは社長だ、偉いんだ。」と偉そうにしてはいけません。しかも社長という職種は、日本に約255万人おり、大阪府の人口とほぼ同じで、50人に1人が社長だそうです。

地球規模で考えれば、困っている人はめまいがするほどいます。自分が何をしたらいいのか分からないのであれば、そのような人を助けるために少しでも何か役に立つことができるようなことがないか考えるだけでもよいと思います。

人は、一人では人として成立しないと思います。この「人」という字は、歩いている人の形を元にしているらしいのですが、ぼくにはこの「人」という字は、1人の人と人が寄り添ってやっと人になっていることを表している形のような気がします。(金八先生がドラマの中で言っていたそうですが、笑。)


自分が得意とするところ、社会の役に立てること、お金を得ることができること、その三つのポイントが交わったところが、その人の目指すところだと思います。

ワンオブじぇむ、One of them、大勢の中のひとりとして人の役に立つことができること、それが大切だと思っています。

8.22.2015

貧困から脱出する方法、会社の危機から脱出する方法

NHK教育テレビの番組で「オイコノミヤ」という経済学のコーナーがあるのですが、そこで「貧困から脱出する方法」というものを紹介していました。

「貧困から脱出する方法」と「会社の危機から脱出する方法」に何か通ずるようなものを感じました。

現在、日本の貧困率は人口の16.1%で、実に6人に1人が1ヶ月10万円以下で生活しているそうです。必要最低限以下のお金で生活している人の割合は、過去最悪だそうです。

貧困に陥ると目先のことしか見えなくなる、トンネリングという状態になってしまうそうです。トンネリングとは、トンネルに入って周りのものが視界に入らず、目先のことにばかりとらわれてしまう状態のことだそうです。

貧困から脱出する方法として番組では

1)教育を受ける
2)自立する(働き、自分で生活費を工面する)
3)貯金をする

の3つのポイントがあると言っていました。

これを自分なりに「学ぶ」「依存しない」「蓄える」と置き換えてみました。

「学ぶ」
経営者は常に学び続けることがとても重要だと思います。優れた経営者は、新入社員や若者、一般の人、お年寄り、新聞、ニュース、本、セミナーなど、あらゆる手段や媒体から謙虚に学び取り、学び続けているような気がします。

「依存しない」
会社は、ある特定の企業や製品に依存しすぎることはリスクだと思います。もし、一番の取引先が潰れてしまったとしたら、共倒れの可能性があります。「会社が潰れそうになれば、借りたお金を約束通り返さなくてもよい」という民事再生法という法律が最近できました。潰れそうになった会社にはよい法律かもしれませんが、下請けとして営んでいる会社にとってはとても恐ろしい法律です。

一製品が会社の売上げのほとんどを占める場合もリスクになりえます。アメリカのコダック社は、当時カメラフィルムが会社の売上げのほとんどを占めていました。デジタルカメラの登場によって、カメラフィルムがまったく売れなくなりあっという間に倒産に追い込まれました。
芯となるビジネスは保ちつつ、社会の需要に合わせた製品やサービスを多角的に開発することも重要な気がします。

「蓄える」
以前もキャッシュフローのログで書きましたが、松下幸之助さんの言葉に「ダムの経営」という言葉があります。資金はダムのように蓄えておき、必要なときにチョロチョロと使う方法です。会社がスタートしたばかりのときは、資金面において、池の大きさばかりか水たまりの大きさを作ることも至難のわざです。ですが、苦しいときにこそ、大切に資金を貯めておくことがとても重要なようです。
起業するとビギナーズラックがやってくることがあります。それを実力と勘違いし、資金を湯水のごとく使ってはいけないようです。会社を立ち上げたばかりで、会社がまだ軌道に乗っていない5〜10年は何が起こるか分かりません。何か起こったときにはもう“時すでに遅し”です。

「貧困から脱出する方法」は「会社の危機から脱出する方法」に応用できるような気がしました。

8.02.2015

成長することの難しさ

事業は、大きくなればなるほど社会性が強くなり、個人のものではなくなります。
最近、会社を大きくするということは、本当に大変なことだと感じています。

子どもや個人がウソをついても犯罪にはなりませんが、企業の社長がウソをつくと犯罪になります。

子どもや個人に悪い友だちや仲間がいても、あまり問題になりませんが、企業の社長に悪い友だちや仲間がいれば、自分が犯罪者になったり捕まったりします。

大企業の社長が、ちょっとでも人の道にずれるようなことをしてしまえば、たちまち大きな問題になります。

ちょっとしたことにウソをついてしまうような人や、悪い人と付き合いのある人、ちょっとでも悪いところがあるような人は、社長に向いていません。

会社が成長するとともに自分の人格も成長することができなければ、たちまち事業は失敗してしまいます。

最近、有難いことに取引も増え、仕事で人と接する機会も増えてきました。
今までは取引もさほど大きくなかったので、何とか乗りこなしてきましたが、取引が大きくなってくると小さな問題も大きな問題になる可能性があります。

問合せに対してウソは言っていないか、正しい回答はできているか、人として正しいことはできているか、自問する日々です。

大企業の偉い社長でもウソを言ってしまいます。人として間違ったことをしてしまいます。人は、「なんで大の社長がウソを?!」と思うかもしれませんが、日々小さなウソを言わないこと、人として正しいことをすることはとても難しいことです。

何より重要なのは、ウソをつかないこと、人として正しいことをすること。
言うのは簡単ですが、行うのは本当に難しいことです。

8.01.2015

有名のリスク

ぼくの父は、山形ではちょっとした有名人でご当地タレントです。

父は地元では有名人なので、ぼくは子どもの頃、親の七光りでいじめられることは一度もありませんでした。ぼくが小学生や中学生のときは、いじめが当たり前で学級崩壊もありました。いじめの対象になるか、ならないか、デッド オア アライブです。そんな中、いじめの対象にならなかったのは本当に幸運でした。

有名で自慢の父にとても感謝していました。でも有名になるということは、子どもながらとても大変なことだと感じていました。街に出かければ、知らない人に必ず声をかけられます。父が好きなカップラーメンを自分でコンビニで買うこともなかなか簡単なことではないように思います。

テレビや新聞で父を間接的に知っている人が、当の本人に会うと「もっと気取った人かと思っていました。」と言ったことにとてもびっくりしたことがありました。
父は根っからのお調子者で上半身裸になって裸踊りをしたり、歌ったりする人です。そんな人を「気取った」イメージを抱いていたなんてとても驚きました。
「メディアで伝えられるイメージは湾曲している」と子どもながら感じていました。

話は変わりますが、とある展示会でとある政治家の奥様にお会いしたことがありました。たまたま弊社のブースにお越しになりました。お会いしたときはその方が、誰なのか全く知らなかったのですが、いつものように商品の説明をさせて頂くと、品よく満面の笑みを浮かべて楽しそうに商品を見てくださいました。
でもその人は有名な方なので、世間から色々言われているようです。こんなに素敵な方なのにまるで悪者のように言われるとは、有名になるとはなんて大変なことなんだと思いました。

会ったこともない人のことをとやかく言う人が、世の中には本当に多いです。

最近こんなことがありました。メディアやSNS上でとある方をときどき見ていたのですが、メディアやSNS上で感じていた彼の印象は、とても破天荒で気性が荒く、派手な人かと思っていました。でも、いざ会ってみると口調はとても穏やかで品のよい感じでした。こうも間接的に受ける印象と直接に受ける印象は違うのかと驚きました。

会ったこともないのに、変なイメージやマイナスなイメージを人に持ってはいけないと思いました。

テレビやインターネットから発信されている人の情報は、誰かの意図で脚色されたり、偏って紹介されていることが多々あります。直接会ったこともない人のことをとやかく言ったり、悪口を言ったりすることはやめたいところです。