1.20.2017

精神的プレッシャーが大きくなるほど、問題解決能力は小さくなる

おかげさまで創業5年を迎えることができました。「順風満帆に見えますね。」と言って頂くこともあります。でも実際は決してそんなことはありません。風の吹いているところになんとか手漕ぎボートで必死に近づいている、そんな有様です。

展示会でよく会う女性デザイナーの方がいます。その方は若いのに数々の賞を受賞しているので「すごいですね!」と言うと「とても力を入れていたプロジェクトが最後の最後で経ち消えになってしまった。」「信頼していた方と上手くいかなかった。」などの答えが返ってきました。活躍しているように見える人ほど、裏では大変な思いをしているのだなあ、とつくづく思いました。

人は、精神的プレッシャーが大きければ大きいほど、問題を大きく感じて、問題解決能力が小さくなる傾向があると思います。
それを行動経済学では「“トンネリング”に陥る」と言うそうです。トンネリングとは、トンネルの内側のものは鮮明に見えるが、トンネルに入らない周辺ものは何も見えなくなり、視野が狭くなってしまうことだそうです。

お金や時間、精神的余裕がない人ほどそのような傾向になってしまうそうです。問題を解決する方法はいくらでもあるはずなのに、その事実が見えなくなってしまいます。自分自身にも思い当たることが多々あります。きっと先に述べた女性デザイナーの方は、問題が現れても、何とかその精神的プレッシャーに耐え、問題解決に奮闘しているのだと思います。

クロスカンパニーの石川社長が書籍の中で棋士の大山康晴氏のこんな言葉を紹介していました。「静思萬考(せいしばんこう)」万の手の中から、冷静に一つの手を考える、という意味だそうです。

精神的プレッシャーが大きくなるほど、周りが見えなくなってしまいがちですが、そんなときこそ、問題を解決するにはたくさんのやり方があるということを思い出し、何とか乗り切りたいと思います。


参考資料
いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学
アース ミュージック&エコロジーの経営学