9.20.2015

事業が成功する人と成功しない人

自分が行っている事業が果たして上手くかは分かりませんが、事業を行っていく上で、事業が成功する人と事業が成功しない人には一定のルールがあるように感じてきました。

事業計画書のない事業は、事業とは呼べない。
事業を行う上で重要なことは、計画し、実行することだと思います。しかし、零細企業や中小企業の方でもなかなか事業計画書を書いたり、毎年更新したり、確認したりする方は少ないようです。事業計画書を簡単に書くと以下の通りです。

1)事業立ち上げ目的(何のため)
2)事業理念(どのような考えで)
3)商品・サービスの概要(どのような内容、手法で)
4)ターゲット(誰に)
5)市場および競合の分析(市場の現状は/強み・弱み・機会・脅威)
6)マーケティング/営業(製品サービス、価格、場所や流通、宣伝・販促、売り込み方など)
7)財務計画(年、月ごとの収支目標など)
8)3年後、10年後のあるべき自社の姿(売上高、経常利益)
など

事業計画がない会社は、行き先の分からない船と一緒です。事業を行うのならば、簡単でもいいので事業計画書を書くことはとても重要だと思います。

うまくいかない人の多くは、本を読んでも、人から言われても、それを実行しない。
自分自身が上手くいってないと思う人の多くは、人から言われたことや本で学んだことを実行に移せていない人が大半だと思います。本から読み取り、それを実行するだけでもやるべきことはたくさんあります。人から言われても動こうとしない人もたくさんいます。悪い人や参考にならないことを言う人ももちろんいます。でも、大いに参考になることを言ってくれる人も少なからずいると思います。その人たちの言うことをまずはやってみることも大切だと思います。言うのはとても簡単ですが、実行するということは本当に大変なことです。

自分で自分の壁を作っている。
「それは自分のやり方じゃない。それはできないと思う。」と自分で自分の壁を作ってはいませんか?人には無限の可能性があります。そのことに気づかず、自分で自分の壁を作ってしまってはいつまでたっても目の前の壁を壊すことはできません。「なんとかやってみればできるかもしれない。まずは一歩踏み出してみよう!」そう思うことからがスタートです。

考えることから逃げている。
計画を立てる。目標を立てる。そこまでの道筋を考える。そのようなことを考えることから逃げていては、いつまでも目標を達成することはできません。最初は考えようとしていても、いつの間にか考えることから逃げていたり、日々の業務に忙殺されてはいないでしょうか。冷静に俯瞰して事業を見返したり、軌道修正したり、改善点などを考えることができなければ、うまくはいかないと思います。

成功しているように見える人の多くは、その成功の何十倍も失敗している。
成功しているように見える人は、いとも簡単に成功したかのように見えます。でも成功するとはどのようなものか知っている人には、そうは見えていません。成功者の裏には、誰にも言わない、見えない大変な努力が隠れています。1の成功は、100の失敗でできていると言ってもいいかもしれません。簡単に成功するなんてことは、ありえません。もし本当に簡単に成功したとしても、100の失敗に支えられた成功でなければ、その成功は、いとも簡単に崩れ去ります。成功を目指すのであれば、失敗を恐れずに実行し、失敗をたくさん積み重ねていくしかないと思っています。

失敗したらしっかり反省し、改善しなければいけませんが、
もし今、失敗しているのならば、成功へ近づく努力を重ねている証拠であり、もし今、失敗をしていないのであれば、成功に近づく努力が足りないのかもしれません。
失敗とは、挑戦している何よりの証拠です。

9.12.2015

スガイワールド立ち上げまでの経緯

なぜスガイワールドを立ち上げたのか。ときどき聞かれるのですが、上手く話せないので、ここにまとめておこうと思います。

学生の頃から自分で事業を立ち上げようとは全く思っていませんでした。大学を卒業した後、映像なら頭で想像することが色々と表現できるのではないかと思い、1年半池袋のジュンク堂書店でアルバイトをしながら映像制作会社へ就職活動をしました。しかし、書類選考で100社以上不採用、50社以上面接不採用の惨敗です。ちょっとウツでした。そんな精神状態でも何とか生きていたのは、山形生まれ山形育ちで健康に育ったからだと思っています。

1年半かかってやっと入社できた映像制作会社はとても大変でした。入社したその日に、撮影スタッフとして現場に入り、その日から家に帰れない日々が始まりました。
数年続けましたが、忙しいため睡眠を取らないで車の運転をし、冗談ではなく、本気で死にそうになったので、辞めました。

どうしようかなと思っていた頃、友人のお父さんが営むデザイン会社にお誘い頂き、有難く再就職することができました。
就職活動では何十社と不採用になり、やっと就職した映像制作会社では死にそうになったりと、何をやってもうまくいかず、人気も需要もない自分を快く受け入れてくれた会社のためならできる限りのことをしようと思いました。

そこで展示会で飛び込み営業を何千社としました。有難く仕事をたくさん頂くことができました。でもさすがにちょっと疲れてしまいました。

気分転換に、ビジネスとはかけ離れた変な企画を趣味で書き留めはじめました。その変な企画を、会う人みんなに見てもらったところ意外に評判がよく、「商品にしてみたら?、やってみたら?」と言って頂くようになりました。でも自分で“商品”というものをまったく作ったことがなかったので、メーカーならその企画が実現できるのではないかと考えました。それが2011年、31歳の頃です。

とあるメーカーで3年、商品の作り方、流通について、会計についてなど学びました。3年間色んな企画を考えては提案しましたが、1つも採用されませんでした、笑。
そこで、企画の中で人気だった「ひげ付箋」を自分で商品化しようと考えました。会社から特別に許可を頂き、働きながら「ひげ付箋」だけを売り続けました。すぐに独立しなかったのは、独立したからといってすぐに商品がお店に取り扱って頂けるわけではありませんし、「ひげ付箋」の売上げだけではとても生活はできなかったからです。
夜7時すぎに家に帰ってご飯を食べて、夜9時から12時すぎまで必死にスガイワールドの事業に取り組みました。もし必死に努力することができなければ、独立したとしても上手くはいかないと、どの独立開業の本にも書いていたので、それを真に受けてがんばりました。

「ひげ付箋」の製造の初期投資は50万かかりました。大金です。かなり勝負に出ました。売れなければ大事な大事な貯金の50万円をドブに捨てるようなものです。納品された4,000個の「ひげ付箋」のダンボールの山を妻と二人で眺め「これを売り切るのに何年かかるだろうね…。」と青ざめたのを今でも思い出します。でも、ある方のご紹介で東急ハンズさんのほぼ全店に「ひげ付箋」を採用頂き、1年もかからず、約半年で最初の生産分を売り切ることができました。

今までたくさんの会社に不採用されてきた自分にとって、自分の商品をお店に採用して頂けることは本当に自信になりました。自分自身がそのお店に採用して頂いたように感じました。

3年間在籍したメーカーではとても可愛がって頂きましたし、できるだけ働きたいと考えていました。

そんな中、東日本大震災がおきました。3月11日、ぼくは、取引先の工場にいました。その取引先の工場はちょっとでも揺れれば崩れてしまうような手作りの掘建て小屋でした。地震が起きた瞬間、工場長から「早く工場から出て!」と言われ、地震がおさまるまで外にいました。なかなか電話がかからず、会社に報告もできませんでした。唯一会社で心配してくれた上司が電話をかけてきてくれました。後日知ったのですが、会社の経営者は社員を会社に残し、一足先に自宅に帰ったそうです。そのエピソードを聞き、会社を辞めようと思いました。

そして2013年独立しました。今活躍している若い起業家の方々は、学生時代から着々と起業の準備をはじめ、やっとの思いで成功しています。ぼくは、事業の芽が出るまでは事業をはじめてから10年はかかると思っています。尊敬するリブセンスの社長の村上さんは2006年に起業し、2007年に月商1,000万になり、2011年に上場を果たした素晴らしい方です。起業の準備は2004年の高校生の頃から考えていたそうです。きっとその前から色々と社長になるために勉強し、努力していたのだと思います。

ぼくが起業を考え始めたのは2011年頃ですので、村上さんとは7年の差があります。村上さんのように社会のためになることをしたいと考えています。村上さんの会社のように大きく立派な会社にはならなくても、いざやるからには、できるだけ多くの人のためになることをしたいと考えています。
2011年から始めたスガイワールドの活動が、10年後の2021年にどのようになっているか、ぜひ楽しみにして頂ければ幸いです。





9.06.2015

お店に導入して頂くには

おかげさまで、スガイワールド商品を多くのお店に導入して頂ける機会が増えてきました。しかし次に発表する商品が必ず沢山のお店に導入して頂けるかは全く分かりません。たくさんのお店に導入して頂いている商品もあれば、ほぼネットでしか手に入らない商品もあります。
最近「スガイさんの商品はたくさんのお店に導入されてすごいですね、どうしているんですか?」と聞かれる機会が増えてきましたので、弊社がどのように取り組んでいるのか、記録しておきたいと思います。

雑貨業界や文具業界の場合、お店に導入して頂くにはどのようにしたらよいのでしょうか。

1)第一に商品の魅力
何がともあれ商品に魅力がなければ、ダメだと思います。「何これすごい!こういうのがほしかった!扱ってみたい!」とバイヤーの方に思って頂くことが大切だと思います。それは簡単なことではありません。今までにない(新規性がある)けど、目新しすぎず、手に取りやすいもの、使ってみたくなるもの、ほんの少しの新規性です。色々なものを見たり、展示会で新しい技術を見つけたり、今の時代にどのようなものが求められるか、日々の研究が大切だと思います。

2)メーカーやブランドに一貫性がある
小さいメーカーは自分の思いつきでどんどん商品化することができます。しかし思いつきばかりで、商品に一貫性や世界観が統一されていなければ、すぐに売場や世の中に埋もれてしまいます。単品で導入して頂く分には問題ないかもしれませんが、ブランドの世界観を提案し、お店でコーナー展開や棚で展開して頂くことにより、よりブランドのイメージを強く打ち出すことができ、お客様に商品をよりよく伝えることができます。
スガイワールドの商品は、一見、思いつきのまま商品化しているように見えるかもしれませんが、何千というアイデアの中から、今の時代にあったもの、今の自社の商品展開に適正なもの、スガイワールドの世界観を壊さないものを、随時厳しく取捨選択しながら商品化しています。

3)業界をしぼる
思いつきで商品を出していると、商品のジャンルが散漫になってしまい、流通経路(または流通チャンネル)が定まらず、せっかく開拓した流通経路が台無しになってしまいます。最初のうちは、できるだけ自社商品のアイテムのジャンルを絞り、流通経路をあれもこれもと手を伸ばさず、自社商品のアイテムに合った流通経路に絞り込むことも大切だと思います。

4)市場のタイミング
当たり前の話ですが、商品は、今生きている人の役に立つためのモノなので、時期やタイミングが重要です。そのジャンルに長らく新商品がなく新商品が求められていた、そのジャンルの新商品がそもそも少ない、今の世の中の需要、潮流に合うなど、今の時代に求められるものであることが大切だと思います。
新商品を出してもなかなか採用されない場合は、世の中の潮流をつかめていない、世の中にあまり求められていない可能性もあると思います。

5)売場のイメージが湧く
なぜ展示会のブースが最低横幅180cmからかというと、売場の棚が横幅90cmが多いので、180cmとはその売場の棚を2つ並べた大きさになるので、バイヤーの方が売場のイメージをしやすいようになっています。なので、展示会のブースでは横幅90cm、縦150cmの棚でどのように展開できるかイメージしやすくなっていることも重要です。

6)予算を立てやすい
提案の上手い人は、横幅90×縦150cmのお店の棚でどのように商品が展開できるか、棚組みの提案書をちゃんと用意しています。提案書には展開したときのイメージと予算が書いています。什器とセットで売る、什器セット売りも重要だと思います。500円のものを各種各色10個ずつ棚に並べたらいくらになるのか、売場のイメージはどうなるのか展示会で即座に計算し、計画するのは大変です。セット売りで提案できれば、バイヤーの方は予算を計算しやすいですし、売場のイメージもしやすいのです。

7)お店で並べやすい
海外のメーカーや大手メーカーの商品は、箱売り、什器セット売りが基本です。商品が20〜30個入っている箱を開けるとそのまま店頭什器として使えるように設計しています。
日本の小さいメーカーはなぜかこの箱売り、什器セット売りが弱いような気がします。海外では日本のように毎日商品をキレイに整頓しません。商品を棚に置いたら、あとはほぼほったらかしです。そのため、海外では箱を開けたらそのまま陳列できる箱売りが重宝されています。また、海外や大手メーカーは輸出入が当たり前なので、配送しやすい箱売りやセット売りが当たり前になっています。什器のサイズは、W30×H40~50×D30cmがオススメです。どのようなものか分からない場合は、文具店や雑貨店などに足を運ぶと分かると思います。小さいメーカーが大いに参考にすべき点だと思います。

資金も認知度もない小さいメーカーは、“知恵”と“誰にも負けない情熱と努力”と“新鮮な商品力”でがんばるしかありません。