小売店ではないメーカーにとって、売場でできることはあるのでしょうか。商品以外のことで何かできることはあるのでしょうか。
「商品パッケージ」「POP」「サンプル」「什器」「メディアでの紹介」の5点を考えてみました。
商品パッケージ
残念ながら、多くの小売店の売場では、そもそも商品の情報を伝えるための専用の什器やPOP、サンプルを置くことは難しいのが現状です。そこで重要になってくるのが商品パッケージです。お客様は“その商品”が、自分に関係があるのか、無いのか、なんとたった約2秒、商品パッケージを見ただけで判断します。そのたった2秒で伝えられることは「色」と「形」と「ほんの少しの文字情報」だけです。たった2秒で「この商品はあなたのために作られたものです」ということを伝えなければいけません。それには、買ってほしい人が好む色、形、文字情報を用いなければいけません。まずそこを理解し、整理しなければいけません。
POP
POPは、売場でお客様とコミュニケーションを取れる商品パッケージの次に大切なものです。POPは文字情報だけではなく、写真を用いることで、お客様は商品を何倍も理解しやすくなるそうです。POPの文字の大きさやフォントもとても大切です。5mm以上の文字の大きさにし、フォントはゴシックがいいでしょう。
サンプル
ときどき「サンプルって提供してますか?有料にしてますか?」と聞かれます。有料であれば、まず小売店の人はいらないでしょう。購入するお客様は、商品を手に取って触ってみて納得します。「ただ見ただけ」と「触ってみた」のでは、これもまたお客様の商品の理解度と信用度は雲泥の差になるでしょう。たかがサンプルと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、お客様はサンプルを手に持つことによって、商品の硬さや重さ、手触り、愛着など、たくさんの刺激を脳に記憶します。そう考えれば、サンプルを提供しない理由はないのではないでしょうか。
什器
“その商品”のためだけに考えられた什器(またはディスプレイボード)は、商品を最もよく見せるための最高の舞台です。化粧品などは、大変立派なアクリル製の什器だったり、宝石であれば、スポットライトまで付いたガラスケースもあります。値段相応の什器を考えることも大切です。立派な什器があることによってお客様が少しでも商品を「安い!」「ほしい!」と感じてくれれば、成功ではないでしょうか。
メディアでの紹介
無名のメーカーにとってテレビや新聞、雑誌などで紹介されることはとても重要です。紹介してもらうことによって認知度が上がることも大切ですが、なんといっても重要なのは、有名な番組や新聞、雑誌に取り上げてもらうことによって、信用がないことを補うことができるのです。ホームページなどで、テレビや新聞、雑誌のロゴをデカデカと掲載している会社があります。あれは「弊社は信用のあるメディアに紹介されたんですよ」と言っているのです。あたかもその会社が信用のあるメディアと同等の信用があるように見えます。虎の威を借る狐、ということわざの通りです。人に迷惑をかけてはいけませんが、あらゆるチャンスを総動員してビジネスを軌道に乗せることも重要ではないでしょうか。