11.29.2014

不安には計画と努力を武器に戦ってほしい

NHKの街頭インタビューで「夢はありますか?」という問いに対して、「不安しかないです!」と答えている若い2人組がいました。二人ともアルバイト生活をしていて、将来に全く希望を持てず将来に不安しかないのだそうです。今の若い人たちのとても正直な気持ちだと思います。

「不安には計画と努力を武器に戦ってほしい」

ニュースでは
「2050年には日本の人口が8000万人に」
「これからの時代は消費がさらに落ち込む」
「65歳以上の人を1980年は7.4人で支えていたが、2050年には1.5人で支える」
「福島原発の廃炉には30年から100年以上かかるとも」と。

まるでこれからお先真っ暗のように感じさせるニュースがテレビから次々と流れてきます。それを素直な若者は真に受けて、将来に希望を持てなくなるのは当たり前のような気もします。

しかし、いつの時代も不安を抱かない人はいないと思います。不安に対して計画と努力でどうか打ち勝ってほしいと思います。

では、どうやって計画を立てればいいのかというと、3つのポイントがあると思います。

1)自分は何が得意で、何をすると人に喜ばれるか自覚する
自分は何が得意かすでに自覚している人は問題ありません。まだ分からない人は、自分は何が得意なのか親や友人、親戚、周りにいる知り合いなど、とにかくいろんな人に聞いてみてください。自分は何が得意そうか、きっと何かしら教えてくれると思います。

2)自分はどんなことに興味があるか自覚する
マンガでもディズニーランドでも旅行でも人助けでもなんでもよいです。自分はどんなことに興味があるか紙にたくさん書き出してみてください。そしてそれを自分なりに優先順位を付けて並び替えをしてみてください。

3)1と2が重なったスイートスポットを自覚する(スイートスポットとは、テニスやゴルフで、ボールを打ったときに最も有効な打球を生む、ラケットやクラブヘッドの中心点。)
1と2が重なったスイートスポットが自分の人生計画の重要な芯の部分になります。
13歳のハローワークというもので職業を見つけることもできます。
詳しくは>「13歳のハローワーク

ただ肩書きを気にしすぎるのはよくないと思います。なぜなら肩書きを付けにくい職業や肩書きを組み合せた職業、今までにない職業は、これからの時代ますます増えてくるからです。

おおよその目標が見えてきたら、そのスイートスポットが打てるように、ちょっとでもその目標に近づけるように、目標とする道にちょっとでも足を踏み入れてみてください。最近は「社会人経験3年の方」「3年以上実務経験の方」などの求人がとても多いですが、大きい会社に限らず、中小企業はまだまだ人手不足ですので、小さな会社にもチャレンジしてみてください。小さな会社は人が少ないので、色んなことを経験することができます。

計画と努力の割合は1対9

計画を練る労力を1とすると、それに向かって努力することは9の労力が必要だと思います。ただ、闇雲に努力すればいいということではありません。間違った考え方やよくない考え方では、いくら努力をしても全く意味がなくなってしまいます。

「不安しかない!」という方が一人でも減り、計画と努力を武器に皆さんが不安に打ち勝つように心から願っています。

「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」チャールズチャップリン
「困難の中にチャンスがある」アルベルト・アインシュタイン

11.26.2014

商品の企画書の書き方

商品の企画書の目的は2つあり、お客様(クライアント)に提案するためものと、社内の稟議(承認)を通すためのものがあると思います。

2つとも目的は同じで、「その企画が売れる可能性があるものなのか、世の中に必要とされるものなのか」を伝えるためのものだと思います。

商品の企画書を一枚にまとめるとしたら、
左側に、商品名、商品カテゴリー、予定売価、発売予定日、セールスポイント、年間販売目標数、市場背景(キーワード、ターゲット、競合、売場・流通チャンネル、プロモーション方法)を記載し、右側にイメージ図を入れます。下記図参照



ただし、この企画書のフォーマットに必要事項をすべて記入し提案したからといって、それで完璧ではないと思います。

企画書は提案する人へのプレゼントに似ていて、提案する人への答えや思いやりがなければ成立しないと思っています。

提案する相手が「こんなことを不安に思っていたなあ。」とか「ここをもっと知りたいと思ってそう。」「こんな提案がほしいだろうなあ。」という、その人にとって特別な要素が添加されてなければ、愛情のない無味乾燥な、なんの面白みも味わいもない企画書になってしまいます。

だからといって、企画書のデザイン自体に凝ったり、色んな色を付けたりして、企画書を装飾する必要は一切ありません。Windowsをお使いなら「メイリオ」、Macをお使いなら「ヒラギノ角ゴ」というフォントだけを使用し、色は極力使わないことをオススメします。変に企画書を装飾してしまうと、企画書のデザインだけで好き嫌いを生んでしまったり、本来重要な企画の部分が見えにくくなってしまうからです。

提案される側が「本当にその企画は世の中に受け入れられるか心配」ということであれば、可能な限り市場の需要度を裏付けるような情報を追加したり、「どう売場に展開したらいいのか」という不安に対しては売場の棚のイメージを追加したり、提案する人に対しての特別な企画書を練り上げる必要があると思います。

11.19.2014

世界のデザインミュージアムショップ

ダニエル・ピンクさん著の「ハイコンセプト」という本の中で、世界の優れたデザインミュージアムが紹介されていました。そのミュージアムのサイトを見ていたところ、どのミュージアムにもとても魅力的なミュージアムショップがありました。
見ているだけでとても楽しいので、ぜひご紹介したいと思います。
(どのサイトも結構見づらいですが、がんばって探ってみると楽しい製品がたくさん出てきます。)

クーパー・ヒューイット国立デザインミュージアムショップ(ニューヨーク)
http://shop.cooperhewitt.org/

ニューヨーク近代美術館ミュージアムショップ(ニューヨーク)
http://www.momastore.org/

デザイン・ミュージアムショップ(ロンドン)
http://designmuseumshop.com/

ビクトリア&アルバート美術館ミュージアムショップ(ロンドン)
http://www.vandashop.com/

ヴィトラ・デザイン・ミュージアムショップ(ロンドン)
http://shop.design-museum.de/

下記加筆
ホワイトニーデザインミュージアムショップ(ニューヨーク)
http://www.shopwhitney.org/

グッケンハイムデザインミュージアムショップ(ニューヨーク)
http://www.guggenheimstore.org/

ウォーカーアートセンターショップ(ミネアポリス)
http://shop.walkerart.org/

日本で“デザイン”モノというと敷居も価格もお高めで、高級で洗練された手工芸品に新しい意匠を添加したものをイメージしますが、ニューヨークでもロンドンでも“デザイン”は市民にとって身近なものであり、生活の一部であり、製品から遊び心をとても感じます。

もちろん高級なものもあってよいと思いますが、できれば誰でも購入可能な手の届きやすいものも、日本にもっとあったらいいなと思います。(という自分も結構お高めな価格で商品を売っていますが、汗)

現在、三宅一生さんが発起人になり、日本初の国立デザイン美術館をつくろうとがんばっているようです。ぜひ敷居の低い身近なデザインミュージアムになってほしいと思います。





11.10.2014

こんな社長は会社をつぶす

弊社は東京商工会議所に加入しているのですが、その東京商工会議所が発行している東商新聞(2014年11月10日付)で興味深い記事を見つけました。

「こんな社長は会社をつぶす」というタイトルの、帝国データバンクの方が書いた記事です。

そもそもぼくは、2014年まで自分が社長になるとは全く考えていなかったので、つい最近まで、世の中にはどんな社長がいて、その方々がどのように努力しているのか全く興味がありませんでした。

しかし社長になった今、どんな社長が会社をつぶすのか人ごとではないので、戒めの意味も含め、記録しておきたいと思います。

会社をつぶす社長の特徴には、5つの「弱い」と5つの「ない」にまとめられるそうです。
それぞれの項目に自分が当てはまるかどうか確認してみました。

5つの「弱い」
1、計数面が弱い:やや当てはまる
原価計算や在庫管理は徹底していますが、お金の出し入れは経理の妻に任せています。しかし、自分でもきちんと把握しておかなければ、どこかの議員さんのように「妻に任せていたので、全く分かりません。」となってしまいます。これではよくありません。

2、朝が弱い:大いに当てはまる
朝はすごく弱いです。これは学生時代から変わりません。しかしこれではダメだと、最近「朝活」と題して、就業前に近くの公園でウォーキングをするように心がけています。

3、決断力が弱い:あまり当てはまらない
これは事業がダメだと分かれば、赤字を出してでも撤退することができるか、という決断力だそうです。事業を始めたばかりの弊社にとっては、撤退を考えることはまだ早いと思いますし、今は簡単にはあきらめないことも重要だと考えています。

4、パソコンに弱い:当てはまらない
もともと大学でパソコンを使う学科だったので、そんなに不得意なほうではありません。小さい頃からゲームをしていたことも、パソコンに慣れる上では大切なことだったのではないかと、今になって思います。

5、人情に弱い:当てはまる
これはリストラできない社長のことなのだそうです。友人や同僚がリストラされたことがある自分にとって、リストラをする経営者は失格だと思います。リストラをするなら、はじめから雇ってはいけないと思います。こう考える自分は人情に弱いのでしょうか。

5つの「ない」
1、計画性がない:当てはまらない
「計画性がない」とは、いつまで、どれだけ、どうやって、という計画が立てられないことだそうです。現在、1年、3年、5年、10年の計画を立てているので、多少計画性はあると思います。

2、情報がない:当てはまらない
「情報がない」とは、社内の情報が社長に届かないのだそうです。弊社は、まだまだ会社が小さいのでこれは当てはまりませんが、会社が大きくなったら問題が出てくるかもしれません。

3、リーダーシップがない:当てはまらない
リーダーシップとは、「オレについてこい!」というイメージを抱きますが、そうではなく、リーダーとして社員から話を“聞く”力が大切なのだそうです。

4、危機感がない:当てはまらない
うまくいっているときも危機感をもっているか、ということなのだそうですが、新商品を売り込んでいる最中にも次の新商品を進め、常に危機感をもって事業に取り組んでいます。

5、人脈がない:やや当てはまる
そもそもあまり友人をつくることが得意ではないので、人脈づくりには全く自信がありません。ただ、スガイワールドの活動を通して、尊敬するたくさんの方々に出会うことができました。人とのつながりにあまり欲張らず、マイペースに人と出会っていけたらいいと思っています。

このように自分を当てはめてみると、会社をつぶす社長の特徴の10のうち、4つが当てはまりました。自分の弱い面を知っておくことも重要なことだと思います。弱いところを肝に銘じて日々精進していきたいと思います。




11.08.2014

マズローの法則

マズローの法則」とは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローさんが打ち出した法則で、人間には、

1番目に、生理的欲求(Physiological needs)
2番目に、安全の欲求(Safety needs)
3番目に、所属と愛の欲求(Social needs / Love and belonging)
4番目に、承認(尊重)の欲求(Esteem)
5番目に、自己実現の欲求(Self-actualization)

がある、と説いているものです。

ぼくは、これからの時代は6番目に、他者実現の欲求があるのではないかと思っています。マズローさんは6番目に、自己超越があると言ってますが、ぼくの考えはその説とはちょっと違います。

南アフリカの元大統領のネルソン・マンデラさんは、27年間刑務所で過ごし出所したとき、「皆さんは私のために尽くしてくれた、これからは私が皆さんのために生きます。」というようなことを言ったそうです。そして生前、南アフリカのために、大統領として、差別の撤廃や人道支援に尽力されました。

ネルソン・マンデラさんのように、自己実現に留まらず、みんなのために尽力する人こそ、これからの人、未来の人なのではないかと思っています。

遠い将来、戦争も差別も貧困も地球上からなくなる日はやってくると思います。なぜなら、人間が文明を発展させてからたくさんの戦争や差別、貧困が生まれましたが、今は昔より確実に、戦争で亡くなる人や差別、貧困が減っているからです。

1945〜2005 武力紛争における死者数の推移(世界銀行)


世界における極度の貧困人口(世界銀行,1981–2008)


日々目にするニュースは、世界は改善しながらよりよくなっていることを決して伝えません。ニュースやワイドショー、大衆映画は、まるでこの世は悪夢で、未来は破滅に向かっているかのようなイメージを仕立て上げ、人々の潜在意識に恐怖を植え付けます。それが自分たちの仕事なのだと言わんばかりです。

メディアは大衆の不安をあおるばかりで、メディアが取り上げる目先の問題に有用な情報は極めて少ないのです。

国連は、2000年9月のニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットでミレニアム開発目標を発表しました。これは、世界規模での貧困や飢餓の撲滅、初等教育の達成、幼児死亡率の削減、環境の持続可能性の確保などが目標に掲げられています。こういった取り組みこそ取り上げられ議論されるべきだと思います。

今はまだまだ世界の問題がなくなる途上なのだと思います。
社会問題に常に目を向け、知ろうと努力し、社会問題を解決しようとする人たちを応援する。

未来の人とは、よりよい未来を思い描き創ることができる人、私欲を持たず、他人のために生きることができる人、そういう人なのだと思います。

11.03.2014

デザインの賞

世の中にデザインの賞はいくつあるのでしょうか。デザインの分野では何十個もあると思いますが、その中で主要なプロダクトデザイン関係の賞をまとめたいと思います。

その前に、なぜまとめようかと思ったかというと、今までぼくは何十回もデザインの賞に応募しているにも関わらず、全く賞というものを頂いたことがありません。

賞とは一体なんなのでしょうか。ぼくは“箔を付ける”ことだと思います。では“箔を付ける”とは何なのかと辞書で調べてみると“重みを加える。貫禄をつける。”とあります。つまり他人から見て「なんか分からないけどスゴそう!誰か評価しているんだからきっといいものなんじゃない?」と思って頂けるようにするイメージ戦略だと思います。

ただ賞を取ったからといって売上げが上がるかというと難しいかもしれませんが、「この会社、入口にやたら賞状やトロフィーがあってなんかすごそうだなあ。」と思って頂くなど、二次的な効果はあると思います。

でもぼくは何度応募してもあらゆる賞を頂くことができません。つい先日も一つ落選しました。落選するのは実力がないから、と考えるのは簡単ですが。

ぼくの好きなデザイナーの一人の佐藤オオキさんは著作の中で、「賞が取れなくても全然気にしなくてよいです。審査員が「オレこの作品を選んだらかっこいいじゃん。」的な理由で受賞作品を決めることが多いと言ってました。

あともう一人ぼくの好きなデザイナーの佐野研二郎さんも「若い頃、何度もデザインの賞に応募したが、通ったためしがなかった」と言ってました。今では大変活躍している方も、賞が全然取れなかったという話を聞いてホッとしました、笑。

でもいずれは何でもいいから賞を欲しいと思っています。そして事務所を構えることができた暁には、入口に賞状なりトロフィーなり飾りたいと思っています。でもたぶん賞は頂けないので、自分で作って飾りたいと思います。

長い前置きはこれくらいにして、デザインの賞には、応募するだけでお金を取る有料のものと無料のものがあります。ちなみにぼくは無料のものしか応募したことはありません。

■応募にお金がかかるもの
グッドデザイン賞:一次審査料 10,800円+二次審査料 59,400円+発表会出展料 124,200円+年鑑掲載料 32,400円 = 合計 226,800円(必須)
受賞するまでに約23万もかかるんですかっ?!とめまいがしてきます。今までグッドデザイン賞はいいデザインなら自動的にもらえるものと思っていましたが、自分で大金を払って応募しないと絶対もらえない賞なのですね…。

iFデザイン賞:登録費用:€350(約5万円)、アワード受賞者の費用:€2,700(約38万円)こちらは受賞するまでに約43万ですかっ?!気絶しそうです。
詳細PDF

レッド・ドット・デザイン賞:登録費用レギュラー:€310(約4万)、€3315(約47万)から
こちらは受賞するまでに約51万…。もう何も言葉が出ません…。

日本パッケージデザイン大賞:エントリー料3,000円、出品料1応募作品あたり1,000円
これはかなり良心的な気もしてきました。

■応募が無料のもの
商品化されているもの
文具大賞

商品化されていないもの
雑貨大賞

その他
CUUSOO

そのほかにも登竜門というサイトで色々な賞を紹介しています。

ちなみに弊社にも少なからず色々な方々からデザインの企画のご提案を頂ことがありますが、コンペに応募してそれを誰かに商品化してもらおうとは思わず、自分で作って自分で売ってみるのも手だと思います。ほとんどのコンペは、デザインの全ての権利が主催者側に渡るものも少なくはありません。コンペによっては応募規約に誠意のないものもあります。

そもそもなぜ製品を世に送り出したいかというと、自分で考え、手塩にかけ生み出したものをより多くの方に使って頂き喜んでもらいたい、という思いがあるからだと思います。その思いを忘れて、ただ賞を取りたい!こうしたら賞取れそうじゃん、ちやほやされそうじゃんという思いで、ものづくりをしたのでは本末転倒ですよね。

なにか受賞できるまでは自分で作った賞状なりトロフィーなりで楽しんでいようと思います…。