8.22.2015

貧困から脱出する方法、会社の危機から脱出する方法

NHK教育テレビの番組で「オイコノミヤ」という経済学のコーナーがあるのですが、そこで「貧困から脱出する方法」というものを紹介していました。

「貧困から脱出する方法」と「会社の危機から脱出する方法」に何か通ずるようなものを感じました。

現在、日本の貧困率は人口の16.1%で、実に6人に1人が1ヶ月10万円以下で生活しているそうです。必要最低限以下のお金で生活している人の割合は、過去最悪だそうです。

貧困に陥ると目先のことしか見えなくなる、トンネリングという状態になってしまうそうです。トンネリングとは、トンネルに入って周りのものが視界に入らず、目先のことにばかりとらわれてしまう状態のことだそうです。

貧困から脱出する方法として番組では

1)教育を受ける
2)自立する(働き、自分で生活費を工面する)
3)貯金をする

の3つのポイントがあると言っていました。

これを自分なりに「学ぶ」「依存しない」「蓄える」と置き換えてみました。

「学ぶ」
経営者は常に学び続けることがとても重要だと思います。優れた経営者は、新入社員や若者、一般の人、お年寄り、新聞、ニュース、本、セミナーなど、あらゆる手段や媒体から謙虚に学び取り、学び続けているような気がします。

「依存しない」
会社は、ある特定の企業や製品に依存しすぎることはリスクだと思います。もし、一番の取引先が潰れてしまったとしたら、共倒れの可能性があります。「会社が潰れそうになれば、借りたお金を約束通り返さなくてもよい」という民事再生法という法律が最近できました。潰れそうになった会社にはよい法律かもしれませんが、下請けとして営んでいる会社にとってはとても恐ろしい法律です。

一製品が会社の売上げのほとんどを占める場合もリスクになりえます。アメリカのコダック社は、当時カメラフィルムが会社の売上げのほとんどを占めていました。デジタルカメラの登場によって、カメラフィルムがまったく売れなくなりあっという間に倒産に追い込まれました。
芯となるビジネスは保ちつつ、社会の需要に合わせた製品やサービスを多角的に開発することも重要な気がします。

「蓄える」
以前もキャッシュフローのログで書きましたが、松下幸之助さんの言葉に「ダムの経営」という言葉があります。資金はダムのように蓄えておき、必要なときにチョロチョロと使う方法です。会社がスタートしたばかりのときは、資金面において、池の大きさばかりか水たまりの大きさを作ることも至難のわざです。ですが、苦しいときにこそ、大切に資金を貯めておくことがとても重要なようです。
起業するとビギナーズラックがやってくることがあります。それを実力と勘違いし、資金を湯水のごとく使ってはいけないようです。会社を立ち上げたばかりで、会社がまだ軌道に乗っていない5〜10年は何が起こるか分かりません。何か起こったときにはもう“時すでに遅し”です。

「貧困から脱出する方法」は「会社の危機から脱出する方法」に応用できるような気がしました。